「貴方の金塊がこの国の連中に取られちゃったでしょう?それの損失を埋めようとしてるんですよ、感謝してくださいまったく……」
うぐ、それを言われると何も言えないんだよぅ。
ていうかその収入源は俺じゃね?掛けられてたんだから。
「じゃあ俺にもちょっと寄越せよ、俺が勝ったんだから」
「寝言言ってんじゃないですよこのロリコン。これは私の洋服代に消えます」
「いやいやいやおかしいよね!?じゃあ何?ミカは俺の金塊で服買おうとしてたの!?」
「私のものは私のもの、貴方の物も私の物です。常識でしょ?」
ジャイアニズム肯定とか素晴らしいくらいにむかつくねこの天使様。
俺を金の生る木ぐらいにしか思ってないんじゃないか?ちょっと心配になってきたよ僕。
と、金を数え終わったのかサンタクロースのような袋を持ってとことこ歩いて行くミカ様。
じゃあ俺も風呂へ行くか……そういや俺の部屋とかまだ場所を聞いてないな。後でテオにでも聞くか。
と、その時。
ちょこんと。 服の袖を後ろから引っ張られる。
後ろを振り向くと、ミカが俺の袖を引っ張っていた。
首をかしげる俺。
もしやまた何か搾取しようとしてるんじゃ……ひぃいいいい!!!!!!
「違いますよ変態。その、ですね。あーうん、あのですね、あれですよあれ」
ミカらしからぬ言動を見せる。いつもならズバズバ物を言って俺のメンタルを破壊していくのにどうしたんだろうか?
「うぅ〜もう!」
一人で勝手に悶えて怒るミカさん。
なんすかね、俺また殴られるんすかね?せめて下半身の急所とかは避けてほしいんだよなぁ痛いから。
だが、ミカの口から出てきたのは、そんな暴力的なことではなく。
「明日、私の服選びに付き合って下さい!このロリコン!」
「はいはいすみませ……オゥ?」
なんとも女の子らしい御誘いだった。