朝飯と昼食を終えた俺は一先ず自室でUSP.45とナイフを装備しに戻る。
買い物とは言え何が起きるか分からない。見慣れない風貌から強盗に狙われる危険性も無きにしも非ずなのだ。
まぁ、そんな事言ってたら散歩にも出かけられないんだけどな。
俺は腰のホルスターにUSP、ポケットに予備マガジンを納める。
もちろんナイフもなるべく見えないように腰の脇へ収納する。
使わない事を祈ろうか。
「お、どうしたそんなとこで?」
「え?あ、あぁ!こんにちは郁葉」
とりあえず無駄に広い部屋から出ると、そこにはミカでは無くクリームヒルデが慌てたように立っていた。
なんだ、俺また何かしちまったのか?いやそんなはずは……待てよ、昨日の夜こっそりお姫様の入浴を覗こうとしてた事がばれたのか!?いや待ってくれ、あれは未遂に終わったんだ!!!
「えーっとだな、郁葉」
「は、はい」
なんだ、今度は何言われんだ?
クリームからの宣告って碌な思い出が無いんだよな。
だが今の彼女は俺の知っているクリームヒルデ殿では無い気がする……なんていうか、女々しいっていうかなんていうか、いつものツンツンした覇気が無いのだ。
「昨日の約束、覚えているか?」
「あぁ、稽古の話しか?」
彼女は頷く。
なんだろう、今の状態はデレなんだよな多分。
とりあえず話を付けようじゃないか。
「今日はちょっと用事があるから、明日はどうかな?時間ならそっちに合わせるよ」
「おぉそうか!分かった!ではまた後で詳細は決めるとしよう!ま、またな!!!」
それだけ言うと彼女は全力でダッシュして去って行った。
なんだってあんなテンションなんだ?まぁいいや、貴重なデレが見れた所でミカと合流しようか。