小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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とりあえずはミカの部屋まで足を運ぶ。
予定よりも早めに到着してしまったようだ、まぁ女の子を待たせるよりはいいだろう。うん、俺紳士だな。

部屋の前で待つ事数分、ミカがいつも通りの肩出しローブと天使の輪っかを着こなしてすまし顔で部屋から出てくる。
うーん、後は性格さえ良ければ素晴らしいのに……妹属性でも可。


「出かける前から気持ち悪い事言わないで下さい。さ、行きましょ」

あ、待たせた事については触れないんですね。
まぁ通常運転ですわ天使様。

「はいはい……っつっても俺、城下町行った事無いから服屋とかの場所分からないよ?」

庭に出て、城の出入口へ向かいながらありのままを伝える。

まだ首都に来て四日目くらいだからな。
しかも三日くらいずっと牢屋にぶち込まれてたしね、僕。

「心配しなくてもこの素晴らしい頭脳に全部ありますから大丈夫です。第一、貴方に任せて服屋に行くと変なコスプレさせられそうですからね」

「滅相も無い、ちょっとスク水着させるくらいだよ」

何が悪いというのだね?むしろ芸術的だとは思わんか、アンダーソン君?

「あぁ、本当貴方に任せなくて良かったですよ。まぁコスプレ自体は嫌いじゃないんですけどね」

なんということでしょう。コスプレ好きな金髪美幼女とか最高じゃないかッ!!!
そんな言ったら世の中の俺達が黙っちゃいませんよ。

「え、マジで!!?じゃあ今度包帯のみで身体を覆ってランドセル背負ってくれッ!!!頼むッ!!!」

「貴方相当地獄に行きたいみたいですね」

「調子に乗りましたすみません……ん?」


ふと、何かよからぬ視線を感じる。
幼女を連れてるヲタを羨む目とか幼女prprしたいおwwwとかそういう部類では断じてない……



そう、まるで敵意のような――


俺は視線の主に気が付く。
それは後ろのバルコニーにいる中年の男達からの視線だ。
どいつもこいつも、貴族のお漫才でもするかのような高貴な服装に身を包んでいて、何やらこちらを睨んでいるのだ。

もう一度言うが断じて男の人に興味のあるウホッな方々では無いだろう。


あれは微量ながらも、その贅肉の下に完全な敵意を抱いている目だ。


俺は、それを知っている。



「あんまり見ない方がいいですよ。放っておけばいいんです」

ミカが察したように言った。
彼女は何所か、割り切ったような表情を浮かべる。


「奴らは何なんだ?」

俺は奴らを睨み返すように見る。
どいつもこいつもタマ無し野郎みてぇな顔してやがる。

「この国の政治家です。私達を良く思っていないようですね……ま、どうでもいいです。行きましょう変態」

俺は頷くともう一度奴らを睨む。
奴らはビビったように城の中へと逃げ込んだ。
ざまぁ、俺の勝ちだボケが。

「くだらないことしてないで早くして下さい、まったくもう……」

ぎゅっと、ミカが俺の手を握って早歩き。
その動作にときめきながらも、俺は恥ずかしさを隠すために何も言わず彼女の言う通りにした。

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