しばらくして、幼女成分を摂った俺は部隊長をミカと同じように椅子に座らせ、縛り上げる。
軽く引っ叩いて目を覚まさせると、ナイフを顔に突きつけて質問する。
「お前達の雇い主は誰だ?」
隊長は答えずにこちらを睨みつける。
俺は一回ミカをちらっと見た後、隊長の頬を思い切り殴り飛ばす。
「もう一度言うぞ、雇い主は誰だ?」
結果は見えていた。
こいつは絶対吐かない、そう訓練されているのだ。
俺はため息交じりに言う。
「分かった、もういい、あんたの好きにしろ。ミカに心当たりがあるようだしな」
そう言って拳銃を引き抜いて部隊長に向ける。
「待って!」
ミカの制止を聞かず発砲、ミカは絶句した。
絶句して、怒りにまかせて何かを言う前に、はっとうめき声を上げる部隊長を見た。
俺は部隊長を殺しはしなかった。
代わりに、無事だった左肩を撃たせてもらったのだ。
「This is for Micha(こいつはミカの分だ)」
それだけ言い残すと、ミカの手を引いて倉庫を出る。
「夜だな」
「夜ですね」
外は街燈と星の光が暗闇を照らす頃合い。城に帰ると、真っ先に部隊長とトイレにブチ込んだ隊員を確保するようにウルフィアスに伝えた。