ウルフィアスは頷くと、オロオロとしているクリームヒルデといつも通りのテオを引き連れて部屋を出ようとする。
いや待てよ、テオは確か諜報部員と繋がりがあったな……よし。
「あぁウルフィアス、ちょっとテオを借りてもいいか?」
え、とテオは自分を指差す。俺の提案にウルフィアスは立ち止って頷いた。
そして何かを思いついたように一瞬にやりと笑ってクリームヒルデを一瞥した……なんだなんだ?
「あぁもちろん。それとクリームヒルデ、お前も行ってこい。郁葉と一緒に居るのはいい社会勉強になるだろうからな、はっはっは」
「だ、団長閣下!?」
なんか大笑いして部屋から去っていくウルフィアス。
よくわからんが、まぁテオを引き込めたのは大きいかもしれないな。
とりあえず残された二人をどうしようか。
テオには情報を集めさせるとして、クリームヒルデは情報戦って柄じゃなさそうだ。
「まぁ、よろしく二人とも。悪いな、つき合わせちゃって……あ、これクリームヒルデに言ってるんだからなテオには言ってねぇからなOkey?」
「ひでぇ言われようだな……まぁいいや」
苦笑いでテオと握手を交わす。
もちろんさっきのはちょっとした冗談だ、決してイケメンくたばれとかイケメン爆死しろとか思って無い。断じて思って無い。
……なんだミカ、どうして俺をそんな目で見るんだオイ。
「私はどうすれば?」
そういやクリームヒルデの事を忘れてた。
うーむ、どうするか……ここでツンデレ妹キャラみたいに調教しておくのもいいのぅ、デュフフ。
おっとミカ、ふくらはぎを蹴らないでくだしゃい。