小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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「ふぅ……」

彼女はため息と共に椅子に座る。
決して賢者タイムの後の一息ではない、断じて無い。

「お仕事御苦労さん。悪いな、こっちの事まで手伝わせちゃって。食いかけのハンバーグをあげようか」

「いらん……まぁ気にしないでくれ、私も今回の件は放ってはおけんからな」

さすが乙女騎士は言う事が違うな。
俺はハンバーグを自分のプレートに戻し、小さく切ってから口に頬張る。
それと同時にクリームもハンバーグの切れ端を口に含み、ほわ〜んとしながら先程とは種類の違うため息を吐いて見せた。


「はぁ、おいしい……」

ハンバーグで癒されているツンデレ騎士ってのは破壊力がデカい、こっちまで心が癒されるものだ。
腹と心の両方を満たす事が出来るってのは元の世界じゃ少なかったから、貴重だ。
シェパードが飯を作ってくれることもあったが、褒めるとツンデレのテンプレみたいに怒られたしなぁ……リアルでツンをやられるとキツイっす。

ちなみにテオはミカにちょっかい出そうとしてハンバーグを全部食われてしまったようだ、ざまぁみろイケメンコラァ。



――――――

「ごちそうさまでした」


お上品に食べきったクリームヒルデ。やはり育ちがいいらしく、終始テーブルマナーの手本を俺の隣で実施していた。
俺を含む他の奴らはというと、まだ食後のデザートであるはちみつを使ったアイスと言う名のデブになる要因の一つをがつがつとかきこんでいる。
だって美味しんだもん。

ちなみにクリームはデザートは食べていない……アイスクリームは嫌いなのだろうか。


「アイスは嫌いか?」

尋ねると、クリームは首を横に振った。

「あまり食べ過ぎると動けなくなるし、何より栄養が偏るんだ。私は太りやすい体質でな」

「あー、なるほど……」

俺はクリームヒルデの胸をちらっと一瞥してみる。
通りでおぱーいがおっきく育つ訳だ、けしからん……それに比べミカは……


「はちみつおいしぃいいいい!!!!!!テオ、早くおかわり持って来なさい」

「アンタまだ食うのかよ!これで20杯目だぞ!?」

あれだけ食べて人使いが荒くてもつるーんとしていればもはや芸術だ。
まぁそっちのが好きなんですけどね、へっ!







「あぁ郁葉、後でお仕置きですからね」

「あぁ俺もそうなるかなってちょっと思ってた」


美味しそうにアイスを食べながら、笑顔で彼女はお仕置き宣言した。

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