――次の日、早朝――
この日の朝も、俺はクリームヒルデに稽古を付けていた。
今回はただ俺に打ち込むだけじゃなく、実戦方式で俺も適度に攻撃している。
訓練用の結界を張っているから、昨日みたいな怪我の心配はしなくていい。
そうそう、聞いた話だとこの結界はあらかじめ血液を登録してある者でなければ効果を発揮しないそうだ。
つまり俺は何時の間にか勝手に採血されている事になる、まぁどうでもいいけど。
「フンッ!!!」
コンボからのクリームヒルデの渾身の一撃が放たれる。
頭上に木刀を振り上げ、一気に俺の頭目掛けて振り下ろした。
「甘いぞー」
しかし難なく反応できるその攻撃を、俺はクリームの脇をすり抜けるようにして回避し、後ろを取る。
空振りするクリームの右膝を後ろから小突いてヒザカックン。
「わっ!?」
右に体勢を崩すクリーム、なんとか踏ん張ろうと足に力を入れる前に俺は足をすくって転ばせた。
「くっ!」
仰向けになるクリーム、立ち上がろうとするがその前に俺の木刀が首に添えられた。
俺の木刀って卑猥な意味じゃないからな、分かってるよな。
「これで6デスだな」
木刀を下げてため息をつくクリームに、手を差し出す。
彼女は何も言わずにその手を取って、立ち上がった。