小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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クリームに日本史が分かる訳も無く、首を傾げたがとりあえずは質問を聞く。


「その、鉄砲という武器について教えてほしいんだ」

これはちょっと予想外だった。
クリームと言えば典型的なお堅い騎士だったし、何より騎士は自らの剣を命かそれ以上に大事にするからだ。
もし次に私も使ってみたいと言うならば、俺は拒みはしないがお堅いというイメージを少しばかり変えなくてはならない。


「もちろん構わないよ。でも、急にどうして?」

「うむ……昔な、命の恩人が、郁葉と同じような物を使っていたのを思い出したんだ」

と、言う事はそいつも俺と同じく天使の遣いなのか?それとも一部では銃が普及しているのか?
どちらにせよ、興味深い話だ。


「彼女はもう亡くなってしまったが、今でも彼女が言った言葉は胸に生きている」

「その言葉は?」

クリームがそう言うならさぞかし人格者だったに違いない。
俺もその人に興味がある。

クリームは強い意志でその言葉をはっきりと、言った。



「希望のそのまた先を見る事、それが生きているという事」



その瞬間、幼い頃の記憶が一気にフラッシュバックした。
急な目眩と頭に走る激痛。
何度も忘れようとして、忘れられないあの感触、景色。




――――希望って、そこにはただの希望しか無くて、その先を見て初めて生きて希望が実感できるんだよ。




俺は、はっきりと「あの娘」を思い出した。

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