しばらく俺は何も言わずに佇み続けた。
瞳は何処を向いているのだろうか?心は何を思っているのだろうか?
懐かしさ?悲しさ?虚しさ?
全部が当てはまって、また当てはまらないような奇妙な感覚がした。
クリームは急に黙り込んでしまった俺を心配するように見つめた。
「おい、郁葉……」
「Who told you that?(誰がそんな事言ってたんだ?)」
ふと言葉にしていた。
しかし、そうだ。きっと、クリームの言ってた人と俺の知ってる『あの娘』は別人に違いない。
だって彼女は、いないのだから。
それを考えた途端、今の思い出すと言う行為一連が馬鹿らしく思えてきた。
振り払うように首を横に振る。
もうやめよう、そう言い聞かせて俺は今を見つめる事にした。
心配そうに見つめるクリームの頭を軽く撫でる。
「なんでもない。Okey,銃の事なら後で詳しく教えるよ。その前に飯行こうぜ」
ニコッと笑うと彼女も同じように微笑んで見せた。
そうだ、気にする事は無い。
亡霊は、生きている者に触れられないのだから。