小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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やっと4階部分まで降りてこれた。
7階からの降下で掛かる時間が約30秒だから、あちこちにいやらしく配置された階段を降りるために、廊下を行ったり来たりするよりも遥かに速い。

俺は突入の準備をする。
片手しか使えないから肩に掛かったライフルを出すのが非常に手間取る。

基本的に突入時には通常フラッシュバン(閃光手榴弾)やスモークを室内に投げ込むのが定石だ。
そうすれば室内の敵の視力と聴力を奪えて一方的に攻撃できるし、人質を安全に確保できる。
俺はその基本に則り、グレネードポーチの中にあるフラッシュバンを取り出そうとする……が。

ピカッと、突然部屋から光が発せられた。
これはマズイ、直感がそう告げた。

夜中に女の子の部屋がまばゆく光るなんて事があるだろうか?
テレビで強い刺激があったとか、そんなちゃちなもんじゃないのは確かだ。
そもそもテレビねぇし。

と、言う事は室内にフラッシュバンやそれに類似したものが投げられたか、俺の知らない何らかの魔法が発動したかのどちらかに違いない。
フラッシュバンを投げている暇は無い、今すぐ突入して、愛しの幼女……もとい麗しの王女を救わなければならない。

俺は勢いよく壁を蹴るとわずかにブレーキを弱めて3階の窓目掛けてドロップキックのように突っ込む。
もちろん片手にはSCARを握って。



「おぉぉぉおらぁぁあああああああああッ!!!!!!!!」


雄叫びを上げて二、三発窓に5.56mm弾を撃ちこむ。
もしキックして割れなかったらスパイ映画のパロディみたいになっちまうし確実に衝撃で手を離しちまうだろう。

28cmの両足が窓を突き破り、乙女の部屋へと変態騎士が突入する。

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