小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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「やっほう、会いに来たぜシェパードたん!」

あくまで俺は笑顔で彼女に対面する。
最後ぐらいはこいつと笑って話したい、そう切実に願ったから。


シェパードはスコップを固い土に突き刺し、軍手を外すと、額の汗をぬぐっていつも通りのツン顔で寄って来た。

こんな時だけ、この顔が可愛くて愛おしいと感じるのは、最後だからだろうか。


「さっきも会ったじゃない。私ガーデニングで忙しいんだけど?」

「ついでに言うとこの後にBL同人誌をご覧になるんですね、アッー!……いやごめんなさいその引きぬいたスコップを元に戻しましょう」

やれやれ、とシェパードはあきれた様子でスコップを手放す。


まだ本題には入れないか。

そもそも俺は、自分が消えることを彼女に言うべきなのか?

俺はここに来てもその答えをまだ出せていなかった。
だけど、礼はしないといけない。こんな俺と、友達でいてくれたこの娘に。


「それで?本当は何しに来たの?」

見透かされていた。
察しだけは昔からいいんだよなぁ、こいつ。

「……うん。その、なんだろう、うむ……」


いざありがとうを言うとなると、少し恥ずかしい気分になってしまうのはなぜだろう?

首を傾げるシェパードに、俺はしどろもどろな回答をしてしまう。


「変なロリコンね、ふふ」

小馬鹿にするように彼女が笑う。

 
……そんな笑顔見せないでよな、惚れてまうやろ。

……いや古いか?



少しだけ、その笑顔に心の緊張をほぐされた俺は、少しだけ泣き顔を入れた笑顔を見せてみる。


「……、シェパード」


彼女の名を呼ぶ。

すると彼女はちょこっと驚いたような顔を赤く染めた。

「ふ、ふぇ?」


素っ頓狂な声を上げる彼女の目を見て俺は言う。








「今年のコミケ、BL本沢山買えるといいな」




刹那、炎の色が赤から青に変わるように、シェパードの顔から笑顔が消えて怒りの表情が飛び出た。

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