あとは大丈夫かな……手榴弾とかスモークグレネードも持ったし、まぁなんとかなんだろ。
あれこれと俺は残った物を地面に置いたホルスターやらポーチやらに詰め込む。
これだけあれば一個分隊とやりあえるだろう……あれ、ファンタジーに分隊とかあんのか?師団とか大隊規模じゃね?
だとしたらヤバイ、念のためにグレネードランチャーや小型のロケットランチャーも……って、よく見たら荷物が遠足以上に増えすぎた。流石に重いかな?
と、そんな事を考えていると銃に飽きて羽をいじくりまわしているミカがダルさ全開の口調で言った。
「あー重さとか考えない方がいいですよぉ?もう私と契約したから貴方の身体能力は常人をはるかに凌駕してますから」
「凌駕って……どんくらい?」
うーん、とあんまり考える様子も見せずにミカは首を傾げる。
「せいぜい赤いドラゴンと契約した喋れない元王子くらいじゃないですか?」
「あぁ、うん、そっち方面も詳しいのね。つーか分かりにく……くはないけど把握しずらいねそれ」
簡単に言えば一人で千人近く相手に出来るって事か?
もう化物じゃんそれ。
その時、あ、と不意にミカが何かを思い出したように声をあげた。
「今はまだ難しいかもしれませんけど、その内貴方の天使化が進めば武器庫に車両なんかも追加されますよ、多分」
「え、マジで?つーか天使化ってなに?」
「細けぇこたぁいいんだよ!まぁ簡単に言えばレベルみたいなもんです」
うわぁこいつ色々詳しすぎだろ……つーか明らかにレベルってレベルの話じゃない気がするんだけど。レベル重複してるんですけど。