小説『ロリコン勇者のファンタジー』
作者:Ciel(Eエブリスタ、ふらん(Ciel)のページ)

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俺は隠れるように建物から建物へと移動する。
決して直線的には走らない。

25メートル先の屋根の上に見張りが一人。
弓で武装、片手には酒瓶。


ACOGのレティクル(十字線)を奴の頭に合わせると引き金を一度だけ引く。

トシュッ……!
その乾いた音とともに見張りがうまい具合に倒れる。

屋根の中側に倒れてくれたので落下して地上の敵に見つかる事は無いだろう。


あの地点から辺り一帯を今一度偵察しよう。


俺は先程の見張りがいた建物によじ登る。

高さはせいぜい5〜7メートル。
窓枠やレンガの出っ張りを足場や取っ手にすれば楽に登れる。


ものの数秒で登りきると、俺は素早く周りの建物の屋上を確認する。

どうやら近くに敵はいないようだ。



……いや、100メートル先の物見櫓に一人、草原の方を向いている奴がいる。

天使補正でよく見えるな……なんだあれ、杖持ってんのか?

なんにせよ排除する。
マウントされたACOGで奴の頭を狙う……へんな魔術が掛けられて無けりゃいいが。
念の為に杖も破壊しよう。


7.62mm口径の弾丸が奴の杖ごと胴体を貫く……一瞬わずかに光を放ったが、櫓の壁に隠れて地上には見えないはず。

そしてもう一発、奴の頭にヘッドショット。

どうやら俺の心配は杞憂に終わったようだ、なにも起きないし誰も来ないからな。

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