「うらぁああああッ!!!!!!」
瞬時にガリルを背負ってトマホークを両手に持ち、幼女を汚す大悪党に斬りかかる。
ちなみにあの最低クソ野郎まで直線距離は40メートル、今さっき居た屋根の高さは6、7メートルであり、到底人間じゃ届きようもない……が。
ズビシュッ。
まるでゲームの技並みに重力を無視して俺のトマホークは幼女を掴んでいた腕を斬り落とした。
「う、腕がッ!!?ふごッ」
取り乱した斬られた男の頭をカチ割る。
その様子を見ていた盗賊達は一斉に、突然現れた『敵』を呆然と見つめた。
そして数秒してようやく正気を取り戻した盗賊達が剣を抜き、叫んだ。
「て、敵だぁあああ!!!!!!」
「お前ら、殺せッ!!!!!!」
リーダーの合図に反応した数人の盗賊達は突然現れた襲撃者に、剣を振り上げて突っ込む。
俺は助けた幼女の頭をちょっと危ない笑みでなでなですると、彼女を護るように立ちふさがる……他の捕虜は盗賊達をはさんで反対側か。
まずは先頭のブレード持ちが来る。
「死ねぇ!!!」
悪党のテンプレみたいなセリフを吐いて俺目掛けて剣を振り下ろす。
「ステップ1」
俺は左手のトマホークでそれを防ぐと、そのまま外側に受け流し、バランスを崩した男の後頭部に右手のトマホークを振り下ろした。
鈍い音に続き、勝ち割れた頭からグロテスクな物があふれ、男の活動は止まった。
「敵を侮るな。最低限、装備、戦力、状態、戦法を見極め、対策しろ」
それだけ俺が言うと、今度は二人掛かりで襲ってくる……装備は短めの槍と短剣。