完全に視界を奪ったなら後は殺すだけ。
ガリルを取り出し、錯乱している盗賊達に突っ込む。
ちなみに添えている左手にはナイフを掴んでいる。
こうすることにより、銃で対処しきれない近接戦闘をこなす事が出来る。
煙の中に突入すると、せき込んで錯乱している奴を片っ端から殺していく。
殺していくたびにせき込む音が減っていく。
この事も奴らにとっては恐怖として精神を蝕んでゆくのだ。
「落ち着け!!!落ち着……」
体勢を立て直そうとしている敵の喉にナイフを突き刺す。
「やめろ、来るな!!!」
錯乱して剣を振り回す奴は放っておく……なぜなら。
「ぎゃあ!!!」
振り回した剣が他の盗賊を斬りつける。
新たな混乱を呼び、ある程度騒ぎ切ったところで振り回していた奴の頭を吹っ飛ばした。
そうして殺し続けている内に、煙が晴れる。
どうやらほとんどの盗賊を殺してしまったようだ、残っているのはリーダーの男と護衛の二人……
しかし問題が起きた。
「動くんじゃねぇ!!!」
リーダー格の男が、手足を縛られた男性の首にナイフを突き付けている。
つまり人質を取ったのだ。
これは少々厄介なことになった、あと三人なのに、人質を取られては迂闊に動けない。
「おい!その訳分からねぇ武器を捨てろ!じゃねぇとこいつを殺すぞ!!!」
おびえている男性に一層厳しく当たる。
「パパ!!!」
不意に幼女が後ろの方で叫んだ。
マジかよ、なかなかに嫌な展開だな。