――同日、夜、二階の寝室――
ぐうぐうと寝息を発て、柔らかいベッドで眠るミカ……の隣で虚しく冷たい床に寝転ぶ俺。
別にこういう待遇は仕方ないと割り切っているが、まぁ床ってのは冷たい訳で熟睡するのは難しい。
おまけにこの毛布、薄い。 寒い。
「すぴー……すぴー……黒髪パッツン……」
なんて寝言だこいつ。
しかしどうにかして寝ないと明日がキツイ。
そもそもこの村を出た後はどうすんだ?ミカには何か目的があるみたいだが、俺にはこの世界の事はさっぱりだ。
先程寝る前にミカから聞いた話だと、ここはオーレシアと言う王国の領内らしいが……それすらも俺には分からん。
まぁいいや、とにかく寝なきゃ。
俺は無理に瞳を閉じて眠りに就こうと努める。
が。
ドコンッ、……貴方達は……騎士団だ……ここに不審者が……やめて下さい……
突然、誰かが家に突入してきたようだ。
声と物音は一階から聞こえる……不審者ってワードが聞こえてきた辺り、誰かが俺達を探しに来たようだ。
騎士団とかなんとか言ってたな、さしずめ軍とか警察か。
だとしたらまずい事になった、盗賊の騒ぎを聞きつけたに違いない。
場合によっては尋問されるかもしれん。そうなればややこしいことになるな。