「ミカ、ミカ」
俺はミカをさすって早急に起こす。
お母様達が食い止めてくれているようだが、時間の問題だろう。
機嫌が悪そうに目覚めるミカの口を押さえる。
「ミカ、声をあげるな。まずい事になった」
押さえる手を離すと、ミカは舌打ちして俺を睨む……これもなかなか可愛いね、うん。
って、そうじゃなくて!
「なんですか一体……私の寝込みを襲うとはいい度胸ですね」
「違います。……騎士団とやらが俺達を嗅ぎつけてここまで来たようだ。今お母様方が必死に食い止めているようだが、数分も持たないぞ」
その説明を聞くや否や、更に不機嫌な顔になる。
「もう……オーレシアの奴らですね、ブッ飛ばしたら後々大変です。逃げましょう」
そのつもりだ。
俺は装備一式を装着してガリルを背負う。
窓からなら脱出できるな、よし。
その時、
ドッドッド。
階段を上る音がした。
奴らもう来るぞ。