「はぁ!?」
あまりに突然な事態に声を出して驚く。
辺りを見回すが何所にも奴の姿が無い。
手掛かりは消える直前に発した、ドンッという打ち付けるような音。
……こういうパターンは大抵アニメや漫画じゃ……
ふと、そんな考えに至った俺は上を見上げる。
「マジかよッ!!!」
なんと予想通りと言うかなんというか、ともかくウルフィアスがクレイモアを振り上げながら空中を落下してきていたのだ。
「うらぁあああああ!!!!!!」
咄嗟に横へ転がり奴の攻撃コースから外れる。
そして次の瞬間放たれるウルフィアスの兜割り攻撃。
地面を文字通り「抉り」、石畳をぶち破って辺り一面に散らす。
「……ッ!!!」
あと一瞬でも避けるタイミングが遅れていたら……
そう思うとゾッとしたが、こんな状況下でそんな心境を構っていられるはずもなく。
「セェエエエエィ!!!!!!」
奇声をあげて剣を振るうウルフィアスから逃れるのに必死になる。