しかしウルフィアスの鎧は特別らしい、カンッとか言って弾きやがった。
マジこれどうしようか、手が無くなってきたぞ。
俺は一度ウルフィアスと距離をとる。
他の騎士が攻撃してこないのは幸いだった。
「うーむ、なんだ貴公、魔法が使えぬのか?」
「むしろ使える方がビックリだよ」
ウルフィアスが怪訝そうな顔をする。
俺のいた世界じゃ魔法使いなんて一部の三十歳以上の人しかなれなかったからなぁ……うわぁ俺予備軍だった。
奴は仕切りなおすように剣を構える。
鎧がだめなら首を重点的に狙うしかないだろう……相手がそれを許してくれれば、だが。
「行くぞ」
刹那、ロケットのようにウルフィアスが突っ込んでくる。
「そいつは見きってるぜ」
あのツンデレ隊長とまんま同じ技だ。
ならば、斬り付ける際に一瞬だけ予備動作が入るはずだ。
「ぬぅん!!!」
俺とぶつかる直前でクレイモアを持ち上げるウルフィアス、やはりこの予備動作がかなりでかい。
どうやらロケット攻撃をする際にはなんらかの事情で攻撃ができないようだ。