ウルフィアスのロケット直進が止まってしまえば奴は攻撃出来る。
「うらぁ!!!」
だがそうはさせん。
俺はガラ空きの顎に下からナイフを突き立てる。
鎧越しじゃ攻撃が通らないならば直接肉に突き刺してやればいいのだ。
突き刺すのに適した刃が老人の顎に突き刺さ……
「……あら?」
らなかった。
ナイフの刃がパキンと音を発てて欠ける……こいつストーンでも飲み込んでコピーしてんのか?
いやいやちょっと待て、もしかしたら防御系の魔法とかそんなのかもしれない。
それならばすべての説明が付く。
だがそうなると、俺はそうやってこいつに勝てばいいんだ?
「惜しいな、フンッ!」
ウルフィアスから放たれるクレイモアをギリギリ紙一重で避ける。
すぐ耳元で風を切る音がした……いくら魔法で死なないとは言え、絶対当たりたくない。