小説『神のミスでONE PIECEに転生させられた男』
作者:八咫()

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『医者を求めて』





リトルガーデンを出た後、ルフィたちの船を見失わないようにしているぐらいで

呑気に寛いでいた。

「あー平和ね」

レモンティーを飲みながらまったりと日光浴をしているリモーネ。その横でファ

ーゴが火薬茶を飲んでいた。

「ああ、まったくだ。これもある意味あいつのおかげだな」

「キャハハ、そうね、アスラが居なかったら私たちはあのままバロックワークス

で働いて、何れミスをして誰かに抹殺されてたでしょうね」

「ああ、だが、あいつのおかげで俺たちは強くなった。これからはあいつの下で

戦う。そしてあいつがくれた恩を返そう」

「そうね、生きる力と自由をくれたアスラにお礼をしなきゃ」

「そういうアスラはどうしたんだ?」

「そういえば……さっきキッチンに行ってから帰ってこないわね」

「見てこよう」

ファーゴは海兵たちが使う船内食堂へ向かった。

「おい、アスラ、なにしっ! アスラ!! おい、どうした!」

食堂に入るとアスラは床に倒れこんでおり、息も切れ切れで高熱を出していた。

「リモーネ!! 来てくれ!!」

「どうしたの――っ! アスラ!! ねぇ! どういうこと!」

「わ、わからねぇ、と、とにかく麦わらたちに知らせないと」

「わ、私伝えてくる!」

リモーネは月歩を使って少し先を進むルフィたちの船へと向かう。

知らせを聞いたルフィたちは船を平行に走らせ、アスラたちの船にやってこれる

者は様子を伺いに来た。

「わりぃ…………病気にかかるかも知れないと言った俺がこうなるなんてな」

「気にすんな、こういうときもある」

ルフィはカラカラと笑う。

「うし、医者を探そう」

ルフィがそういうと、

「待て、ルフィ……そいつはダメだ」

アスラが話ずらそうにしゃべりだす。

「アラバスタじゃ反乱軍に……国王軍が寝返ってる……まにあわねぇぞ」

「そんな!」

ビビは悲鳴に近い声を上げる。

「このままじゃ、アラバスタは……」

「だから、気にすんな。寝てれば……治る」

「無理するなアスラ! 絶対にやばいぞ! 頼むビビ王女、国がやばいことは分

かってる。だが、アスラを助けたいんだ! 我がままだと思うが、頼む」

「私からもお願い! 医者に見せなきゃ!」

ファーゴとリモーネはビビの前で土下座する。

「……私は全速力でアラバスタに向かわなければならない」

『っ!』

「だから、アスラさんの容体を医者に見せてから向かう。それが私たち船の全速

力でしょ」

「っ! 感謝する!」

「ありがとう……」

「おし、なら決まったな。医者を探して全速力でアラバスタに向かう。んでクロ

コダイルをブッ飛ばす!」

『おう!』

一斉に動きだす中、ビビは寝ているアスラの傍に置いてある椅子に座る。

「悪いな……迷惑かける……」

「いいの、アスラさんのおかげで強くなれたから」

「はは、ならよかった……」

「今は休んで」

そう言ってビビは部屋を出ようとするが、

「ビビ」

アスラが出ていく前に呼んだ。

「ん? なに?」

「俺がアラバスタに入ると、おそらくだが……海軍本部の連中が……やって来る

かもしれない。最悪大量の海兵がやって来る。その時は……」

「……」

ビビは無言でアスラの言葉を聞く。

「その時は、絶対にお前の国には手出しさせない。傷つかせない。約束する」

「……ありがとう」

「礼なんてもんは……いらないさ、本当に最悪なのは……加盟国じゃなくなる可

能性だ」

「えっ!?」

「俺がアラバスタに入って何かしらの関わりを持っていたとたら、国とのパイプ

があり、それなりに資金を持つとなると海軍は許さないはずだ。まぁその先にバ

スター・コールがあるけどな……」

「バスター・コール……」

「内陸に位置する国だから大丈夫だとは思うんだけどな……まぁなにがなんでも

守ってやるさ……」

「うん」

ビビはゆっくり休んでね。と言って部屋を出た。

メリー号に戻るとビビは、ゾロの下へと向かった。

「Mr.ブシドー、少しいいかしら」

「あ? どうした」

「私の相手をしてもらえないかしら?」

「はぁ? 何言ってんだ」

「みんなが頑張っているのに私だけ何もしないって訳にはいかないから」

「……まぁいいけどよ」

「おい、マリモ! ビビちゃんに傷つけて見ろ、てめぇを三枚におろしてやるか

らな!」

「うるせぇよクソコック!」

騒ぎ出すゾロとサンジを見ながらビビは、

「強くならなきゃね……」

そうつぶやいた。






アスラが発熱してから三日、雪が降る中航海を続けていると、島が見えた。

が、その前に妙な船が現れ、中から厚着をした男が現れた。

手にはなぜか銃を持ち、食べており、それを見たルフィが銃は食べられるのかと

感動していたが、仲間たちは全員で『能力者だろ』と突っ込んだ。

「お前ら、俺様の国に何か用か?」

男は銃を食べ終わり、ルフィたちを見る。

「お前の国? その割にはさっき懐かしいなんて言葉が聞こえてたが?」

兵士の一人がつぶやいた言葉を聞いていたサンジが煙草をふかし、男を見る。

「国外に出ていたのだ仕方ないだろう。それより俺様の国に入るなら通行税をは

らってもらおうか」

そう言っておもむろに男はメリー号を食べ始めた。

『てめぇ!』

ゾロとサンジが飛び出すが、

『ワポル様のお食事中だ。邪魔するな』

二人の男が飛び出した。

『どけぇ!』

ゾロとサンジは攻撃を仕掛けるが、

その周りにいた兵士たちが一斉に銃を構え、発砲した。

「ぬぅぅぅん! ゴムゴムの風船!」

ルフィは腹を膨らませて銃弾をはじき返す。

「能力者か!」

「メリーに何してんだぁ!」

ルフィは男――ワポルに殴りかかる。

「ぐぁ!」

『ワポル様!』

「俺様を殴るとはいい度胸だ! 覚悟しろ!」

そう宣言したワポルは自身の能力を使って攻撃しようとするが、

「一万キロプレス!」

頭上からリモーネが攻撃し、ワポルは直撃を受けた。

体の半分が甲板に沈む。その際ウソップが怒っていたが。

その後騒ぎ出す兵士たちをファーゴが鼻空想砲で攻撃、ほぼ壊滅状態に追い込む

と片手でワポルを持ち上げる。

「俺たちは急いでいるんだ。邪魔をするな!」

腕を爆発させ、掴んでいたワポルにダメージを与える。そのままファーゴはワポ

ルを海に投げ捨てる。

『ワポル様ーー!』

動けたアフロなどの兵士たちは海へ飛び込んだ。

「急ごう。アスラの容体がやばい」

「ええ、急ぎましょ。出発よ!」

ナミの合図で再び進む。




グランドライン冬島。国の名前はドラム王国

数年前までは医師大国と呼ばれていた。



<あとがき>

お久しぶりです。八咫です。

ようやくあげられたと思えば短いですねすみません。

次は長くしたいと思います。


YOU様の案ですが、ゴールデンウィークは難しいですが、ダブルフィンガーことポーラなら
うまくいきそうです。

k-n様のゲダツ案は思い浮かばなかったのでうまいこと使いたいなと思います。

ただ、八咫としましてはフィオナ海賊団は船長以外を能力者でまとめてみたいな

と淡い希望があります。

最悪オリジナルの実を考えてしまうかもしれませんがご了承ください。


では次回『トニートニーチョッパー』で、失礼します。

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