小説『ペルソナ4・ザ・ゴールデン 平和を望んだ異端者』
作者:イザナギ()

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第十一話 テスト前の会話

あの日から数日後の金曜日放課後。
とっとと帰ろうと思ったんだが、忘れ物して戻ることに。昨日の旅って本だけど、なかなか面白い。
なんか四人が話してるのを発見した。

「……崩れるらしいけど、あたし的には来週いっぱいもってくんないかな。来週……中間テストじゃん?」
「あー、言っちゃった、それ、考えたくねー」
「だからといって先延ばしにできる問題じゃないだろ?」
「うおおっ!?」
「あ、驚いた」
「いや、当たり前だろ。しかし、ほんと中間テストってやだよな」

まぁいいものじゃ無いが、そこまでではないぞ。俺、こう見えて頭いいし。成績上位には食い込んでる。
だから、良くも悪くも無いってとこだな。

「はぁ、あたしも雪子みたいに天から二物をあたえられたいよ……。ねぇー花村、雪子に色々教わったほうがいいんじゃない?」
「ん? あー、そういや天城、学年でトップクラスだもんな。個人レッスン、頼んじゃおうかな」
「一応、俺も、トップ、クラス、なんだけどな……」

やばい地味にへこむぞ。色々といやな目に会うと勉強に没頭してたからな……つまり昔からずっとってことになるが。

「こっ、個人レッスン!?」
「え? どしたの?」

と、天城がいきなり花村の頬をたたいた。
え? なにこの状況。

「い、いて……そんな叩くとこですか? 勉強教えてって言っただけなのに……」
「あ、ごめん、勉強か……。この間の事もあるし、オヤジギャグなのかなって。最近、変なお客さん多いから」
「ギャグと思ったならなおさら流せよ!」
「それに、つっこみならびんたじゃなくてチョップな。で、この間のことって?」
「ま、護は知らなくていいから!」
「う、うん」
「そうか。よし、ならいい」
「おまえら、俺のことは無視かよ!?」
「あ、ごめん、手が勝手に動いただけだから」
「やれやれ」
「がんばれ陽介」
「わかってるよ相棒」
「相棒?」
「「なんでもないから」」
「お、おう」

なんなんだこの連携。まぁいいか。とっとと帰ることにした。

そして次の日。

朝から雨が降ってた。のだがどうも雷まで落ち始めたようだ。
……落ちるであってるよな? ……鳴る? どっちでもいいや。

「里中〜、例の成龍伝説、新しいの買ってきたぜ。闇討の言ったとおり、ジュネスで名作価格キュッパーだったよ。これなら肉おごんないで即日返しゃよかった」

が、あまり会話を聞いてないようだ。
また雷が……もう鳴ったでいいや。鳴ったからそれに反応してる。
かくゆう俺も超怖えぇ!

「明らかに近づいてるっしょ、これ……!」
「あれ……お前以外にも雷怖いこ?」
「うっさいな! だって当たったら一撃死じゃん」
「そうだ!」

と、また近くで鳴った!

「っひゃあっ!」
「うおぅっ!」

びっくりした。……あの日も雷鳴ってたっけ。

「ハハハ、ビビリ過ぎだっつーの。こういう日はあれじゃん? 逆にカンフーの特訓とかすると盛り上がるんじゃね? 雷ビカーンってなって、新しい必殺技とか出来ちゃうぜ。DVDにもあったろそゆシーン」
「てめぇ、人の気持ちも知らないで!」
「どうせ雷落ちんなら、こいつに落ちろー!」

と、先ほどより強く光ったかと思うと、電気が消えた。

「あれ? 停電?」
「まぁ花村に落ちる場所だと学校に落ちるからな……」
「里中が落ちろとか言うからだぞ? ……こりゃさっさと退散してバイトだな」

というと上機嫌で話し始めた。

「俺、今日の食料品の売れ行き次第じゃ、今週のバイト代に色つくかもしんねーんだ。この天気じゃ客足少ないかもだけど、バイク貯金のために頑張らねーとな!」
「なぁ、花村。喜んでるとこ悪いが、知ってるか? こういう公共施設が停電すると、他のところも高確率で停電してる。災難にあうかもしれないぞ?」
「ははは、そんな脅しにゃ、のらねーよ」

と、花村の携帯が鳴り始めた。
花村が誰からか確かめて出る

「チーフからだ……。もしもし、お疲れっすー」

と、チーフと思われる人の声もかすかに聞こえてきた。

「陽介くん?あのさ、実は雷で、お店の一部が停電になってさ。今日、早く来れないかな?冷蔵棚が全部止まっちゃって……。こりゃ食料品フロアは早じまいだわ」
「え、ちょ! そんじゃ俺の給料……」
「とにかくさ、片付け手伝って欲しいんだ。頼んだよ!」
「まっ……」

……切れたようだった。冗談半分で言ったんだがマジで当たりやがった。
と、じーっと里中のほうを見始めた。

「なんでこっち見んのよ!」

今度はこっちを見た。いやいやいや。

「こっちみんな」

そういうと、携帯をしまっていった。

「あーも、なんでこうなるんだーッ!」
「日ごろの行いのせいじゃね?」

あ、へこんだ。ご愁傷様。
里中は雪子に話しかけた。

「ねえ雪子ぉ、もう帰ろう?」
「千枝、こんな話知ってる?」

ハテナを頭に浮かべる里中。

「ある女の子が宿題を忘れて、夜中の学校に忍び込んだんだけど、トイレに行きたくなってね……。明かりの消えた女子トイレに無理して入ったの。そしたら、誰もいない筈なのに、手洗い場の鏡に……」
「なんの話してんのお前!?」「待った! 何の話!?」

と、俺と里中が同時に聞くと、とても不思議そうな顔をしていった。

「え? 怪談。確か千枝、好きじゃなかった?」
「なぜに今ッ!?」
「ていうか俺が怖いからやめてくれ……」

俺がそういうとやめた。いや、よかった。こっちの真剣さが伝わったらしい。

「これはある夜の話……」

かと思ったら鳴上が怪談その2を話始めたーっ!?

「お前もか!?」
「わー! わー! キミまで何言い出しちゃってんの!? もう! 知らない!」

あ、拗ねた。やれやれ。

「ハァ……いっそもうリーダー、いや、闇討に家まで送ってもらえよ、里中」
「なんで俺なんだよ」
「ばば、馬鹿にしてる!?あ、でもそれ……」

反論したかと思えば縮こまったり、忙しないやつだな。

「仕方ねーだろ、そのテンパリ具合じゃ……」

と、電気が点いた。ふう、よかった。

「あ、点いた! ほら、帰るよ、雪子!」
「帰ろうよ! の間違いじゃね?」
「うっさい!」

里中たちは足早に帰っていった。……俺も帰ることにした。
テスト、頑張んないとな。




ちなみに俺の家と丸久は大丈夫だった。花村、ご愁傷様。


あとがき
頭良い設定なのに雷が落ちる、なのか鳴る、なのか、どっちでもいいのかわからない主人公でありました。まぁ作者がわからないからですけど。

アドバイス、誤字指摘などあったら待ってます。さきも確認したら菜々子が奈々子になってるところがあり修正しました(4/03)。

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