小説『ハイスクールD×D Dragon×Dark』
作者:()

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「あーる、晴れた♪ひーる、下がり♪市、場に、続〜く道ー♪」

 一人の少年が夕暮れの道を歩いている。
 彼は家に帰る最中で、近道のために公園に入った。

「荷〜馬〜車〜が、ご〜とご〜と♪お〜う〜しーを乗せーていくー♪――……ッ!」
 機嫌良さそうに歌を歌う少年。


 その後、少年は、信じられない出来事を目撃した。



「ある〜日ー♪公園ーで〜♪殺人現場に遭遇した!!」

 彼の目の前には黒いボンテージ服を着ている黒い羽を生やした美女と腹から血を流している少年。

 彼女は少年に向けていた冷ややかな視線をこちらへ向けてきた。
「あら、見られてしまったわね。残念だけど、見られたからには死んでもらうわ」
 そう言って彼女は光の槍を作り出して少年に投げた。
 その槍は同じ様な黒い槍とぶつかって消滅する。

「何ですって!?まさか……神器(セイクリッド・ギア)所有者!?」
「知られたからには死んでもらう」
 言われた事を言い返した彼は、やられた事をやり返す。放たれた10本の黒い槍が彼女を襲う。
 黒い槍が彼女に当たると思った時、辺りが強い閃光に包まれる。


 それが収まった時、そこには誰も居なかった。
「逃げられたな。それはさておき、この死にかけをどうしたものか……」

 少年がまずは容態を確認しようと近寄った時、足元に紅く輝く魔方陣が出現した。

「うわ……悪魔のお出ましかよ……」
 今日はとことんついてないと少年が嘆息すると同時に、魔方陣から紅髪の美少女が出現した。

「私を呼んだのは貴方?」
「いえ、違います。呼んだのは恐らくそこに居る九死一生の人です」
「これは大変ね」

 そう言うと、彼女は懐から髪と同じ紅い駒を取り出して何かしたかと思ったら、99%死んでいた少年が健康体に戻った。

「まさかのミステリー……」
「さて、次は貴方だけども……」
「俺は通りかかっただけですので殺さないで下さい。願いもありませんのでどうぞお帰りください悪魔様ー」
 美少女の視線がキツイ物へ変わる。

「貴方、悪魔の事を知っているの?」
「失言しました。まさか駒王学園の二大お姉さまの一人であるリアス・グレモリー先輩が悪魔だと知っていささか動揺してしまったようです。それで、悪魔について知っているのかでしたね?はい、知ってます。悪魔だけでなく天使についても知っていますよ。こう見えても神器持ちなので」
「詳しく話を聞かせて貰いたいわね……」
「お断りします。悪魔の方々と違って卑小な人間である私めは夜行性ではないので」

 その時、突如現れた闇が二人を包み、視覚を効かなくする。
 暗い所でも人間よりもよく見える悪魔でもこの中では何も見えなかった。


 闇が辺りを覆っていたのは数秒だったが、闇が晴れた後に居たのはリアス・グレモリーと九死に一生を得た――いや、悪魔に転生した少年、兵藤一誠だけだった……。

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