小説『新“ネギまと転生者”』
作者:大喰らいの牙()

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十三話 グレートブリッジ奪還作戦


〜???side〜
とある酒場にて・・・・


「この三人の男とこの少年だ」
「なんだよ、まだガキじゃねぇか!!」
「あまり舐めてかからないことだ。この者達のせいで前回の“オスティア攻略”は失敗した。それから精鋭部隊や討伐隊を送りこんでいるが悉く返り討にされている」
「………前回? ということはその前にももう一度やったという事か?」


黒服の男はさらに内胸ポケットから、二枚の写真を取り出した。


「最初の一回目の“オスティア攻略”時に邪魔された者達だ」
「オイオイ、コイツは…………」
「そうだ。最高賞金首3000万ドラクマと600万ドラクマの二人だ。男の方は“紅蓮の殲滅鬼”、女の方は“闇の福音”だ。キミが望むなら部下や他の傭兵を……「いらねーよ」……」
「コイツラなんか、俺一人で充分だ」


そう言っていた俺は、一週間後には何故か【紅き翼】のメンバーとなって戦争を終わらせる方の立ち場となっていた。
〜???side out〜


一週間後・・・・


〜真紅狼side〜
無事にメガロについて、のんびりしてたら『グレートブリッジ』で言ってたことが実現するとは思わなんだ。
これは、俺のせいなのか?!
ということで現在orz状態です。


「冗談で言ったつもりなのに………(涙目)」
「まぁ暴れようじゃないか、真紅狼」
「じゃあ、アイツ等の恐怖の代名詞とも言える『艦隊殺しの大槍』で行くか」
「初っ端から手加減なしか………なら、私も容赦なしに魔法を放つか」


ということで、俺は仮面を着け、エヴァは本来の姿でグレートブリッジに赴いた。
出向いた時にはすでに中盤戦に差し掛かっていた。
何故なら、遠くからだが【紅き翼】のメンバーが見えたからだ。


「おーおー、ナギ達が暴れてんなぁ」
「あのガキ共か………」
「こちらも暴れ出しますか!」
「そうしよう」


そこから、お互いに戦場に出向いた。
俺は素早く『艦隊殺しの大槍』出現させ、狙いを定めてブン投げた。


「―――――オラァッ!!!」


ドォン!!


刺さった獲物はどうやら空中母艦が二機だった。
そこから、鎖で繋がれた碇を外して回し始めた。


ブン・・・・・ブン・・・・・


そうして、他の獲物目掛けて襲いかかった。
まさに『共食い』をするように………………
〜真紅狼side out〜


〜エヴァside〜
真紅狼は既に『艦隊殺し』で五機も潰していた。
私も『闇の魔法』で身体強化。
今回は敵も数も多い為、暗黒魔法のなかでも一番威力のある『パニッシュレイ』を装填した。
『パニッシュレイ』は攻撃時に一瞬だけ私の姿を消す………というより、何かしらの攻撃を放つ際、相手の五感を機能させないことにするのが特徴だ。
これは機械にも通用する為、一瞬の間があれば詠唱無しの魔法を放つことが出来るのである意味、必殺の構えだ。
私の最初の相手は巡洋艦だった。


「さて…………」


そう呟いた後、巡洋艦の艦首の上に立った。


『!?!?!??!』
「ハロー♪」


おお、驚いてる驚いてる。
そのまま、驚いてる奴らにプレゼントとして、拳を振るった。


カッ・・・・・・・・!!!


昏い光が全員の感覚を機能させなくした一瞬の内に、零距離『闇の吹雪』を五発叩き込んだ。


ドドドドドォン!!
ピキ・・・ペキ・・バゴォン!!


一点に集中して放ったから、最後の五発目の『闇の吹雪』で見事に貫通して、高度が下がり始めたので、私は近くに居た駆逐艦の艦首に乗り移り、同じことを繰り返した。


あ、真紅狼はもう十機も落としてる………負けられん!!
〜エヴァside out〜


〜ラカンside〜
俺達は“グレートブリッジ奪還作戦”に参加している。
俺達の活躍により、帝国の艦隊も半分以上が沈められた後の時だった………
メガロの方向から、帝国の艦隊が次々と撃墜されていく音が俺達の方に響いた。


「なんだ!?」
「………まさか、あの碇は!!」
「アル、知ってんのか?」
「あんな武器を使う者なんて、この世界に一人しかいません!」


どうやら、アル達は知ってるようだった。
そして、帝国の艦隊はその者を倒そうと残ってる艦隊を全てそちらに回していた。


「オイオイ、艦隊が向こう側に行っちまったぞ!?」


その時、硝煙と爆炎の隙間からその物体が見えた。
それは漆黒の碇に見事に貫かれていた超弩級戦艦が無残な姿になっていた。
所々凹み、艦首は叩き折られていて艦尾はすでになかった。
そして、その漆黒の碇はまるで生きているように、他の帝国艦隊を喰いに掛かる。


ドゴォーン!!


「アレは帝国にとって恐ろしいモノじゃねえ………“死”そのモノじゃねぇか」
「今思えば、あの者が敵じゃないことに安堵してますよ」
「そう言えば、アル。そいつは一体何者なんだ?」
「………貴方の元ターゲットの二人ですよ。私達を除いて……ね」
「―――ってことはアレが“紅蓮の殲滅鬼”か!!」
「……………どうやら終わったようですね」


帝国の艦隊は三分の二が“紅蓮の殲滅鬼”ともう一人の奴に墜とされ、俺達は残りの三分の一と“グレートブリッジ”を取り戻す成果を上げた。
そして、夜明けが来た。


「……俺の故郷がある旧世界では超強力の科学爆弾が発明されているがこれほどまでの大戦は起こらないそうだ………。 何せ、始めちまったら最後は皆滅んじまうからなんだってよ」


そう感慨深くナギは言っていたが、俺にはどうでもいいことだな。


「だが、この戦はいつになったら終わる? ヘラスを滅ぼすまで終わらないのか?! まるで………」
「―――まるで、誰かがこの世界を滅ぼそうとしているかのようだ―――ですか?」
「―――案外その通りかもしれないぞ?」
「……ガトウ」


そこに現れたのは白い服を来た男――ガトウとその少年タカミチだった。


「俺とタカミチ少年探偵団の成果が出た。―――やはり、奴らは帝国・連合の双方の中枢に入りこんでいる。――――秘密結社『完全なる世界』だ。悪いがナギ、後日、本国まで来てくれ。アル達も頼む」
「何故ですか?」
「会って欲しい協力者が居るんだ」


そうして、俺達はグレートブリッジを後にした。
〜ラカンside out〜


〜真紅狼side〜
艦隊もほぼ喰らい終わり、グレートブリッジも【紅き翼】の連中が奪還したらしく、戦いは終わりを告げた。


「女王もお疲れ」
「紅赤主も暴れまくったな。何機喰らった?」
「おおよそ―――超弩級戦艦:1 空中母艦:12 巡洋艦:8 駆逐艦:11 強襲艦:3だな」
「総計35艦も墜としたのか………」
「墜ちた数なんかどうでもいいさ。はやく帰って寝たい……というより女王で愉しみたい」
「なっ!? こんなところで言う事無いだろ!? 別にイイケド………」


そういう恥じらう所がまたいいんだよなぁ〜〜。
そうして宿に帰った俺達は夜を愉しんだ。
内容は言わねぇよ?


次の日・・・・・・


いやー、愉しんだ愉しんだ。
それはもう、疲れが吹っ飛ぶぐらいにね。
隣で寝ているキティは未だにお休み中だ。
髪を撫でてやると、「んっ・・・」と呟いていた。
もう少し寝ようと思ったその時………扉の叩く音がした。


コンコン・・・


俺は素早く着替えて、“真紅の執行者”に手を掛けながら、キティを外にいる奴ら聞こえないように起こした。


(キティ、起きてくれ)
(んぅ? しんくろう? なぁに?)
(……メンドクさそうな客が来たから、着替えてくれ。素早くな)
(………分かった)


コンコン・・・


再びノック音、普通この後に名乗る筈だが、相手はいつまでも名乗らない。
その後すぐにロックの外れる音が聞こえ、俺とキティは奥に引っ込み迎え撃つ準備を始めた。


ガチャ・・・
コツ・・コツ・・


(真紅狼)
(ああ)


「「だれだ!!」」


首元に銃を突きつけ、チャチャゼロは相手の心臓の辺りにナイフを突き付けていた。


「わ、私はマ、マクギル元老院議員の部下っ、部下です!」
「………それで?」
「紅赤主様と女王様に来て・・・頂くようにと仰られて・・・迎えに上がりました!!」
「・・・取り敢えず女王、チャチャゼロを下がらせろ。コイツは嘘を言っていない」
「………………フン」


そう言ってチャチャゼロはナイフを閉まった。


「どこに行けばいい?」
「夕方にこの場所に………」


場所をメモされた紙を受け取った俺は、そいつを帰らせた。


「一応、招待には応えてやるが二度と無断で入ってくるなよ? 次は容赦しないし、外に居る連中にもそう言っておけ!」
「は、はいいぃぃぃぃぃぃ!!!!」


マクギルという男の部下は腰を抜かしながら、颯爽に出ていった。


「紅赤主………気付いていたのか?」
「まぁな、多分応じなかったら、無理矢理連れて行くという感じだったんだろうよ。寝込みを襲えば、勝てると思ったのかねぇ」


そうして時間が過ぎ夕方となり、紙に記されてる場所に向かった。
はっきり言おう。
行ったらマジ後悔した。
なんでコイツ等が居るんだよ!!
〜真紅狼side out〜


〜ナギside〜
俺達はガトウに呼び出され、本国まで行きある場所で“協力者”に会いに行った。


「で、その“協力者”ってのは?」
「………マクギル元老院議員!」
「いや、わしちゃう。主賓はあちらのお方達だ・・・ ウェスペルタティア王国第一王女のアルマ王女とその妹君で第二王女のアリカ王女だ」


そう言ってマクギル元老院議員が向いた方を見ると、銀髪のアルマ王女と金髪のアルマ王女が静かに歩いて来ていた。


「………マクギル元老院議員、貴方の言う“協力者”とはこの者達ですか?」
「いえ、アルマ王女、あともう一組居ますがどうやらおk・・・「来てやったぞ、マクギル元老院議員殿?」………今、来ました」


もう一組はコイツラだったらしい。


「紅赤主!!」
「………チッ! メンドクさいのが集まりやがった上に極めつけはアンタかよ」


そう言って紅赤主はアリカ王女を睨みつけた。


「なんでコイツ等を!?」
「……この者達と貴方達は『帝国』と『連合』に属していない人達だからです。お願いです、私達に………この戦争を終わらせる為にお力を貸してくれませんか!?」


真摯に訴えるアルマ王女に対して俺達は快くOKを出したが………


「……俺達のメリットは?」
「おい、紅赤主!?」
「何を驚いてやがる? 俺達は賞金首、つまり悪党だぞ? それなりのメリットがなきゃ動かねぇよ」
「テメェ………!! 「……賞金首の取り消しなどどうじゃ?」」
「それだけか?」
「今のところ、それだけじゃ」


紅赤主はしばらく考えた後、結論を出した。


「まぁ、いいだろう。今のところはな………?」


そう含みのある笑いを出した。
その時、俺はアルマ王女を見つめていた。
アリカ王女は紅赤主の方を見つめていたが………
〜ナギside out〜


さっきからアルマ王女を見ていたが、なんでか視線がずらせねぇな・・・なんでだろ?



―――あとがき―――
今日はここまでです。
真紅狼達は戦場を荒らすだけで荒らしてから、勝手に去ります。

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