小説『新“ネギまと転生者”』
作者:大喰らいの牙()

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二十一話 『天狼繋ぐ神滅の獄』


バキンッ!
ジャララララ!!!
バシャンッ…………


ベキンッ!
ジャララララ………
ボチャンッ!


バキ………ベキ………バキィンッ!
ガキィン!
バキィン!


どこかから鎖の外れる音が聞こえた。
そして、この時、完全に真紅狼の髪は“紅く”染まった。


「―――造物主。お前はこの俺を起こすべきではなかった」


真紅狼が造物主の前からゆっくりと消える。
そして…………


『―――ウオオオオオオオオオオオオォォォォッッ!!!』


この戦場に居る者全てに、咆哮が聞こえた。
そして、造物主、ナギ達にエヴァ達、最後に一時的に共にしていたアルマ・アリカ王女は『真紅狼の心の心象風景飛』に飛ばされた。


バシャァァァアアアーー………


辺りは暗く、周りを把握できる物も無く、遠くからは水が流れる音だけが聞こえる。
アルビレオ・イマは魔法で明かりをつけた。


「アルマ・アリカ両王女! こちらです!!」
「皆、無事………とは言い難いの」
「むっ! 貴様等は!!」
「なっ!? 造物主だと!!」


造物主は攻撃魔法を放とうとしたが、発動どころか魔方陣すら出なかった。


「なんだと!?」
「………!! アル、目の前を照らせ!!」
「なにか見つけましたか、エヴァンジェリン」
「何かの建造物が見えた。あと、何かがこちらに向かって来てる。それにいい加減に下を見ろ…………血の海だ」


エヴァによって気が付いた全員は驚く。
そして、エヴァが見つけた建造物を見て絶句する。
その建造物はどうやら、神殿みたいな造りになっており、奥の台座の前には両端に石柱が五本ずつ立っていた。
その建造物は人の骸で建てられていた。
石柱も奥にある台座も全て骸で建てられていた。



ボッ! ボッ! ボッ! ボッ! ボッ!


五本ずつの石柱に紅黒炎が灯る。
そして奥からゆっくりとこの世界の主がやって来た。


「なんだ………これは………?」


この世界の主は吼える。
そして来訪者達は、現実世界に戻った。


「なんだ、今のは………?」


エヴァは一人つぶやく………
その時、目の前で造物主と先程見たモノが対峙していた。


紅き狼は吼える。
吼えた後、人の眼では追えないほどの速度で造物主に迫り、喰らい付こうとする。


ガチンッ!


だが、その噛みつきは外れるが、外れた時に発生した歯と歯の音が、人々の恐怖を呼びこむ。
造物主はありったけの魔力で魔法を放ち、紅き狼を倒そうとするが効いてる感じは見られず、むしろ吸収しているように見えていた。
その為、造物主は“黄昏の姫巫女”の元に戻って、急いで『世界を無にする帰す魔法』………“リライト”を発動させようとして、撤退しようとした時、紅き狼の凶悪な爪が降りかかり、右腕の付け根ごと吹き飛ばした。


「があああああああ?!」


苦痛の声を上げながらも“黄昏の姫巫女”の元に向かう造物主。
だが、目の前に紅き狼が大きく口を開け、全てを貫きそうな牙によって体を噛み千切られた。


グシャッ!
ブチブチブチ…………!!
ブシャァァーーーー!


「ぐあああああ!! ぐっ、いいだろう!! 私はこのまま消えるとしよう。だが、忘れるな! この世界には絶望と偽りしかない!! その時が再び訪れた時、貴様たちの苦痛と絶望の顔を見てやる!!」


造物主は、そう高々と声を上げながら、魔力の渦に飲み込まれていった。


紅き狼は造物主が完全に消えたのを確認した後、エヴァの所まで疾走した。
そして突然空間が割れ、紅き狼は戻っていった自分の安置場所に。
紅き狼が消えると同時に真紅狼が空から気を失いながら、降りてきた。


『真紅狼!?』


真紅狼が降りて来た瞬間、「世界を無に帰す魔法」が発動し掛けようとしたとき、
アルマ・アリカ王女に連合、帝国の全員が力を合せ、その魔法を止めた。



戦争は100年を経てようやく―――――――――終戦した。

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