小説『Uninstall (ダブルエイチ)』
作者:月読 灰音(灰音ノ記憶)

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そっとヒロユキが後ろから優しく僕を包み込むように抱きしめました
それだけで僕は涙がボロボロこぼれました
圧倒的な安心感、ずっとそうしてもらいたい。時よ止まれ。

「する、んだよね?」

さっき水を飲んだばかりなのに声は枯れていました

「うん、したい」

背中にヒロユキの硬いものが触れていました
小学校の時の変態補導員を一瞬思い出しました
でもヒロユキは違うんだ
大好きだから、全部受け止めてあげたい
背中のほうに手をまわして大きさを確かめました
びっくりするぐらい大きくて硬くて熱かった

「こ、これ、何か塗らないと無理…」

ヒロユキは何かゴソゴソとしていたようですが

「これどうかな?」

とオロナインの瓶をみせてくれました

「これだったらもし切れても薬がぬりこめるぞ」

冗談交じりでいってくれました

「あの…僕、男も女も含めて初めてなんだけど…」
「俺もそうだぞ」
「え?まじで?女とはやってるでしょ?」
「いや、まだ童貞。ヒカルで童貞捨てるとは思わなかった」
「…なにそれどういう意味!?悪い意味?いい意味?」

ショックで半泣きになりました

「いい意味で。そうなりたいって思ってたけど、実現するとは思わなかったって意味」

優しく髪をなでてくれました
恋する人間の心はいつだって不安定なのです

「じゃあ、いくぞ」

お互い初めて同士、ましてや男同士です
始めは全くうまくいきませんでしたが、ようやくヒロユキが入口を探り当てると、ゆっくりゆっくりと僕の中に入ってきました
僕はとにかく痛かった
でもヒロユキがいやな思いをしないよう我慢してました
ようやく全部が僕の中に入った時には1時間くらいたってたと思います
全部がおさまると痛みも不思議と消えて、快感ともとれるような疼きが生じました

「動かしてもいいよ…」
「うん。でもちょっと動かすだけで俺いきそう」

二人が横を向いてバックの形でつながっていたのですが
腰は動かさずそのままうしろからヒロユキが抱きしめてくれました
この人しかいない、何なのかはわかりませんがとにかくそう思いました
ずっとパートナーでいたい
喜びで涙が音も立てず、つーっと頬を伝いました
人に愛される、愛するってこういうことなのかな、そう感じました

段々と慣れてきた僕は、いたずらしてやれと思って、お尻を何回かキュッキュっと収縮させました

「あ、ばか、こら…ちょ……あ!」

ヒロユキが絶頂を迎えたのが僕の体内につたわる脈動でわかりました

「ヒカル????!!」
「ごめんごめん、ひひひ」
「ふ?。まあええか。気持ちよかったよ、ヒカル」

「ありがとう」

なんでありがとうなのかわかんなかったけど
出た言葉は「ありがとう」でした

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