小説『Uninstall (ダブルエイチ)』
作者:月読 灰音(灰音ノ記憶)

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なぜか同級生より先輩に好かれる奴っているよね
僕もその一人でした

中学二年になって身長は150cmに伸びていました
同じく高2から高3に進級した先輩の中に父親は外交官でハーフという
サラブレッドみたいな先輩がいました
一応少ない学校生の中でもリーダー的な存在だったのです
頭はあんまり賢くなかったけど(それでも同志社大学にいったけどね)
人望でグイグイ仲間を引き付けるタイプの人。

いつも一人で物事を決めて一人で行動していた僕は、その人に見染められて
中学生で唯一シンジケート(そう呼んでいた)入りをしました
メンバーは僕を入れて5人。
活動内容は、一人200円だして合計の1000円で週刊雑誌(漫画からフライデーまで色々)を、購入し読みまわす、これだと200円で一人が何冊も雑誌が読めるというシステム。
帰省日を利用して家には帰らず旅行に行く、就寝後の最後のパトロールの後、寮を抜け街に繰り出すこと、どれもあまり興味のある活動内容ではなかったけど
帰省日に決められている2か月に一回の2泊3日は、いつも帰らず寮で過ごしていたのでそれだけは楽しみでした。両親は小遣いと称して毎月現金書留で1万を送ってきてくれてたけど、あまり使うこともなく旅費にする分くらいはあったのです
週刊誌も部屋に置いておくにはリスクが高すぎたので、お金だけ渡して、たまに先輩の寮室にいき読むぐらいのものでした
深夜の散歩も、僕はベランダからタバコを吸いながら皆を見送るだけにしておきました。無意味に無目的に行動するのは時間の浪費だとおもったからです


眠れない夜は剣道部の書籍棚から拝借してきた「小太刀法」という本に載ってあった小太刀を使った技の数々を、ヒロユキにもらった3段警棒で練習することに費やしました

中2には修学旅行もありましたが、行先は韓国で、家の財政も知っていた僕は不参加にしました
韓国が知りたければ大阪の鶴橋にでもいけばいい。そっちのほうがもっとリアルだと思いました。歴史と実情を知ろうともしないその観光客気分が嫌悪感を催しました

皆が修学旅行に行っている間に僕は延々勉強をしました
テキストは中3のものを使っていました
数学や物理は面白かったです
僕に無限の時間と思考を与えてくれたから…

修学旅行が終わり、僕へのいじめが始まりました
他の4人の中2は結託したようでした
だが屈するわけにはいきませんでした
家に戻れば、まだひどい環境がまっているんだから。

上履きや体操服が焼却炉の中で燃えていたり
洗濯中の洗濯機に墨汁をながしこまれたり
ガキ。

極めつけはシンジケートに入っていない先輩をそそのかしてのレイプでした
屈辱の涙しか出ませんでした
同級生4人に手足を押さえつけられ、一部始終をみられながらの排泄行為

たちなおるまで1週間近くかかりました

復讐も考えたけど、僕は耐えました

中学卒業まではここでいなくちゃ、そう言い聞かして耐えたのです

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