“伝説との遭遇 〜海賊王が空気とか思ったらそこで試合終了だぞ!!〜”
「さて」
急なレイリーの海賊同盟発言から1時間後、俺たちは町の酒場に集まっていた。
そして俺たちは中央の丸いテーブルで話し合いをしていた。
ちなみにこの場所には各海賊団の船員全員が集結しており、ロジャーは自分の海賊団の皆さんといまだに酒飲んで酔って寝ている。
もうどうでもいい。
「急な話で申し訳ない。」
「おう、レイリーで話ってのはなんなんだ?」
「そう焦るなシキ。とりあえずこれを見てくれ。」
そう言ってレイリーがテーブルに海図を広げる。
「え?ボードーゲーム?」
シキ!ツッコミはせんぞ!!
「・・・・これはこの町の近海の海図だ。見てくれ。この街の周りには何がある?」
」
レイリーが示してくれた地図を見てみると、確かにこの島を中心とした海図だった。しかし、その地図を言われ場所を見てみると、ある疑問が浮かんだ。
「海軍基地?それも2つもある。」
そう、この町を取り囲むように北と南に海軍基地があるのだ。
でも、それがどうしたんだ?
「その通り。この近界の海には珍しい事に近くに海軍基地が2つある。そして、この事から1つの結論が導き出される。」
「というと?」
「おそらく、バスターコールというのは嘘だ。」
(((!?)))
その発言に俺はつい声をあげてしまった。
「ちょ、ちょっと待て!!でも、あの時海兵は確かにバスターコールって言っていたぞ!!お前はそんな楽観的でいいのか!?」
いやだってそうだろ!!海軍はやるっていったら必ずやっちゃうクレイジー集団だぞ!!
「ああ、そうだな。確かにこの島でバスターコールは行われるのだろう。しかし、それが『本物かどうか』は全く別の話というわけだ。」
意味が分からず聞いていると、レイリーは眼鏡をクイと上げながら質問してきた。
「あんたらはバスターコールについてどこまで知ってる?」
その質問に対して俺は今の知識をフル活用して答える。。
「確か、海軍大将以上の命令によって中将5人、海軍船10隻で実行される海軍最大の作戦だっけか?」
「だいたいはそれで合っているな。しかし、ここで1つ疑問が残る。それは“時間”、そして“人員”。」
レイリーはつ2つと指を折りながら説明する。
「まず前提として、俺たちが数日前この島に来た時から話そう。例えば先程の海兵が、ゴールデン電伝虫が押していたとしても、バスターコールが来るには早すぎるんだ。」
「早すぎるっててなぁどういうことだ?」
白ひげの発言にレイリーが答える。
「私達がこの島に来てからあまり時間がたっていないのに、そう易々と艦隊を編成してくるなんてできるわけがない。それに海軍中将は暇ではない。最近は海賊増えてきているから出払っている中将も大勢いるはずだ。緊急の招集とはいえ、すぐに集まるなんておかしいだろう。」
確かにな・・・。海軍の内部事情は知らないが、そんなに忙しいんだったらすぐきちゃうのは少し変だ。まるで、待ち伏せしてたか、最初から仕組まれていたような・・・。
「しかし、先程の通信だと艦隊はもうすぐそこまで来ている、といったような会話だった。これは明らかにおかしい。」
「・・・なるほどな。」
あー、俺にも分かった。レイリーの発言から考えると、ここでさっきの海図が出てくるわけだ。
「私の結論から言うと、これは海軍の作戦ではなく、ある1人の海軍将校の暴走、と言うことだ。」
ある将校がこの島に多くの高額賞金首が集まることを知り、一網打尽にして手柄を得ようと考えた。
そこで丁度近くにあった2つの支部の軍艦を使い、疑似バスターコールを行おうとしたのだ。
さっき電伝虫にでた相手がおそらくその将校自身かそれに近しいものだろう。
「でもよ、そうすると、結局バスターコールが起こるってことじゃねえの?」
「確かに・・・しかも、それだけの事ができる将校がいるってことになるな。・・・最低でも少将クラスのやつがいるな。」
「ああ、そこも考えている。」
レイリーは俺たちを見ながらニヤリと笑う。どうかしたの?
「そこで、君達2つの海賊団と同盟を組みたいんだ。」
なるほど、ここは一致団結して海軍を倒そうじゃないかと。
しかし、シキは声を荒げた。
「冗談じゃねえぜ!!俺はてめえらと仲良しゴッコなんかしたくねえ!!ま、俺の傘下になるってんなら別だがな?」
いや、そこまで嫌がんなくても・・・
その反応にレイリーが苦笑しながら
「なにも一生同盟というわけじゃない。この戦いが終わるまででいい。私たちの海賊団だけでは勝利は難しいからね。そこで、実力者ぞろいである金獅子海賊団と、・・・・君たちに協力を願おうと思ってね。」
レイリー、海賊団わかんなくてごまかした。
シキは未だに腕組みして考えているが、この場合頭を縦に振るしかないだろう。
なんせ、海軍の艦隊が来るのだ。1つの海賊団だけで立ち向かうのは分が悪い。
まあいい、俺には断る理由なんてないし。
「俺は構わねえぜ。」
「そうだな。俺もOK。」
「チッ、しゃあねえ。今回だけは乗っかってやるか。」
どうせ、暇だったしな。
「それでは協定を行う。海賊団船長前へ。・・・ロジャー出番だ。」
手下と遊んでいたロジャーがおう、そうか!と喜んでこちらにやってきた。
・・・というか、コイツ本当に海賊王になれるのか?
すると、ナイフで親指に傷をつけ出した。
これ何してんの?と白ひげに聞くと
「海賊同士で何かしらの協定するときにやる儀式だ。・・・最近見なくなったけどな。」
なるほどね。
「エドワード。よろしく。」
でも痛そうだから俺はやらん。
ロジャー、シキ、白ひげの順に紙に親指を押しつけていく。これで協定は終わりだそうだ。
こうして俺は伝説の海賊たちとの共同戦線を張ることになった。
普通なら心躍るのだろうが・・・
たまたま立ち寄った島で事件に巻き込まれ、
それでこの後も色々とやることがあると思うと、
「疲れる・・・。」
そう呟いた俺は悪くないだろう。
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「『中将!!君はなにをやっているのか分かっているのか!?』」
「分かっていますとも。誇りある海軍による海賊どもの討伐です。」
「『そういうことではない!!海軍の船まで集めて君達はバスターコールの真似事でもするつもりか!?』」
「真似事ではありません。私の部下と仲間は全員時期中将候補です。これはれっきとしたバスターコールですよ。それとも大将殿は海賊という悪を放置するつもりですか?」
「『今は構うなとあれほどいっただろう!!罪のない一般人も皆殺しにするつもりか!?』」
「海賊を通報しない時点で彼らも同罪です。ま、今度本部に伺う時は賞金首どもの首級をみやげにさせていただきましょう。それでは私は忙しいので失礼します。」
「『ちょ、ちょっとまて!!まだh』」
ガチャ!!
全くうるさい人だ。
これだから口だけで行動力のない人は嫌いなんだ。
私は電伝虫を手に取ると、別の場所に電話をした。
プルルルル プルルルル ガチャ
「『はい、もしもし?』」
「私だ。準備はできたか?」
「『ええ。もちろんですよ。奴らを捕縛しようと町の海兵達と音信不通ですが、まあいいでしょう。失敗した奴らも同罪です。では、海賊退治に行きますか?パピエル中将。』」
「そうだな、クインテッド中将。」
電話を切った後、近くにいた部下に話を伝えた。
「戦闘準備。G-11支部と協力して海賊どもを挟み撃ちするぞ。」
海軍と海賊連合の決戦が刻一刻と近づいていた。
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レイリーにはお見通しでしたの回
いかがだったでしょうか?
話がうまくまとまっているか不安だ・・・。
次回、
vs海軍!!
はじまるザマスよ!?
続くでガンス!?