小説『 ONE PIECE 〜青天の大嵐〜 』
作者:じの字()

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“伝説との遭遇 〜セカンドコンタクトそして開戦〜”



side レイリー


「よう。」


私が刀の手入れをしていると辻斬りが話しかけてきた。


「こうやってちゃんと話すのは初めてだな。グンジョーだ。」

「昨日話したばかりだが、何か用かね“辻斬り”」


私が答えると“辻斬り”グンジョーはひどく傷ついたような顔をした。


「頼むからその2つ名とセットで言うのはカンベンしてくれ。自分が狂ってるような気がしてくる。」


せめてグンジョーって呼べ、と向こうが提案してきた。

おかしな奴だ。

自分の2つ名をここまでいやがる奴も見たことがない。

この男を見ながら、私はある記憶を思い出していた。


地震と嵐の激突


遠目でしか見れなかったが、2つの災厄が拮抗した瞬間



全ての音が死に、



海が割れ



大地を裂き



空が悲鳴を上げ



気づいたら彼らがいた島は半壊していた。



それほどにこの男は強い。

そう、私が一度実力を見てみたいと感じるほどに。

だから、酒場で再会できた時は素直に喜んだし、それと共に恐怖をも感じた。

今回の同盟はその点も加えてのことだった。

おそらく、だがこの場所にいる海賊の頭たちはそこらにいる海賊ではない。

全員が全員、災害クラス。

彼らが共同で戦線を張ってくれたらどれだけ心強いことか。

即席とはいえ、あのバスターコールだ心強い味方は多いほうがいい。

私をこの世界に誘ってくれたロジャーのためにも今回の戦いで負けるわけにはいかない!!


「おーい、聞いてんのか?」

「ああ、すまない。」


どうやら考え事にふけっていたようだな。


「まあいいけど。ところでさあんたの剣術は独学なのか?」

「そうだな、まあ昔少しかじったものを自分なりに派生させた。」

「はあ、なるほどね。」

「君のもか?」

「俺の場合は適当に剣ふりまくってたらいつの間にかできるようになってた。」

「」


この男は・・・。

あの絶大な威力を誇る剣術がただ剣をふり続けた結果だというのか!?

偉大なる航路に来てから様々な謎を見てきたが、この男が何故こうなったのかも大きな謎だな。

目の前の男をもう一度見る。

おそらくロジャーと同い年のはずの灰色の髪灰色の目の男。

もし、彼が普通にどこかの流派で真剣に剣術を習ったのだとしたら、おそらくその流派の歴代最強の剣士になっていたはずだ。

カミという奴は何ともったいないことをするのか。


「おい、レイリー!!何が起こってるんだ!?」


そういえばこいつがいたな。


「ロジャー今起きたのか!!というか、話し全然聞いてなかったのか?」

「ああ、昨晩から何も覚えてねぇ。・・・ところでお前誰だ?」

「ええ!?」


私の隣にいたグンジョーが悲痛な声を上げた。

おそらく、本当に何も覚えてないのだろう。

しょうがないのでもう一度説明してやることにした。

side out

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side グンジョー



「ところでお前誰だ?」

「ええ?」


空気だった人に空気扱いされた悲しきグンジョー君です。

一晩明けて広場に来たのだが、そこでレイリーをみつけたのが話の発端。

昨日は色々あってスルーしていたが、思えばコイツは海賊王の片腕だ。

そして、約50年後、窮地に立たされたルフィ達を救う大恩人の一人でもある。

一度色々話してみたいじゃないか!!

というわけで会話を繰り広げてみたが(泣)

ちなみに、約50年後というのは色々計算して導きだした原作開始前までの時間である。

というか・・・

50年後って中々長いな。

うまく生きられてもオジイチャンじゃないか。

〜予想〜

「俺はルフィ!!海賊王になる男だ!!」

「ほうか〜、がんばってのう。飴ちゃん食べるかい?」

〜〜

こんな会話が繰り広げられるのだろうか。

リアルタイムでルフィを見ていた自分としては少し残念でもある。


「おうおう、成程な!!つまり海軍の船をぶっとばしゃいいんだな?」

「うん、まあそういうことだ。」


大雑把だなロジャー


「で、お前は誰なんだ?」


そういえば、そんな会話もしてたね。


「俺はグンジョー。剣を手に適当に海をさすらっているただの一般人だ。」

「「一般人は嬉しそうに人を斬らねえ(ない)。」」

「ハモられた!?」


まさか、船長副船長のダブルツッコミされるとは思わなんだ!!


「というか、お前起きてたのか!?」

「いや、戦闘は意識がハッキリすんだよ。というか、お前剣の腕スゲーな!!どうだ、一度戦ってみないか?」

「・・・いや、今は海軍と戦うことを考えようよ。」

「そうだな。いつまでも酔ってんじゃないぞロジャー。」


ポンポンとロジャーの肩を叩くレイリー。

でも、俺は知ってる。

戦ってみないか?って言った瞬間の俺を見るこの人の目は猛禽類(殺る気)の目でした。

まるで、手合わせしたくてウズウズしてるみたいな。

・・・何それコワイ。

すると、上空から怒り顔のオジサンがフワフワと降りてきた。

言わずもがな、金獅子のシキである。


「ロジャー!!」

「テメエ、シキ!!いつ俺に面を見せていいといった!?」

「一々オメエに許可をとる必要はねえ!!」


ポカポカと殴り合いを始めるいい大人2人。



「・・・こいつらはいつもこうなのか?」

「基本的にそうだな。」


・・・本当にこの男は海賊王になれるのだろか?


「海軍の船が見えたぞーーーー!!!」

戦闘前のピリピリした雰囲気にミスマッチな子供の喧嘩にさすがに俺も何とも言えん感じになっていた俺たちの前に見張りをしていた海賊がやってきた。


「沖合に海軍の船が現れた!!数はおそらく10隻!!レイリーが言った通りだ!!」

「そうか、やはりな。かき集めてもそれぐらいだろうな。よし、総員戦闘準備!!」

「ちょっと待て、総大将は俺だぞ!!」


レイリーが指揮するが、そこに喧嘩をしていたはずのシキが横やりをいれてくる。

いや、そこまで張り合わなくても。

そこに白ひげがあるいてきた。

エモノの薙刀もキチンと手入れがされ、いつでも使えるようにしてある。


「グンジョー。おそらく、敵は強い。今まで戦ってきた海軍の比じゃないほどにな。気い引き締めていこうぜ。」

「ああ、そうだな。」


俺は酒が飲めればいいけどな、グララララ!!とか笑っている白ひげだが、薙刀を構え気合は十分だ。

その姿を見て俺は改めて虎丸に目を移す。

手入れは万全だ。抜かりはない!!


「さて、じゃ行きますか。」


レイリーの合図の元、3つの海賊団が一斉に立ち上がった。

side out

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その日の朝は霧が立ち込め、視界は良好とは言えなかった。

しかし、それを無視して彼らは対峙し、そして睨みあう。


一方の海軍   軍艦 10隻

対して海賊連合 海賊船 3隻



片方は敵をせん滅するために



片方はこの場から生き残るために。



海賊側に圧倒的に不利なこの戦いは後の群雄割拠の時代まで伝わること、

そして海軍本部から海軍の艦隊が出航したことは

今この場にいる誰もが知らなかった。

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じの字です。

レイリーの剣術は自分の考察です。

あの年で船を盗んでボーっとしていたなら少しは剣術を学んでいたのでは?という勝手な予想からでした。

さて、

次回はvs海軍海戦開始!!

本編ONE PIECEでもあまり見ない“海戦”をこの作者ができるのかどうか分かりませんが、頑張ってみます。

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