小説『 ONE PIECE 〜青天の大嵐〜 』
作者:じの字()

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“また会おう”




「レイリー・・・。」



目の前の光景が信じられなかった。

あのレイリーが

原作でも十分強い、いや覇気を含めれば俺以上の強さかもしれない、あのシルバース・レイリーが半死半生の状態になっているなんて。


「レイリーーーーーーーーー!!!!」


今までガープと拳を交えていたロジャーが激昂しながらこちらに跳んできた。

あまりの衝撃に咄嗟に動けず、俺はそれを見ることしかできなかった。


「少し黙っていてもらおうか。」

「!!」


レイリーを掴んでいない片方の腕をロジャーに向かって振り下ろした。


「ヌッ!!」


ロジャーは咄嗟にガードしたが、


「!!」


そのガードを突き抜けロジャーを地に叩きつけた。


「ガハッ」


たった一発


そうたった一発ただの拳を当てただけのはずなのに、その威力はすさまじく、ロジャーが血ヘドを吐きながら昏倒してしまった。


「船長!!副船長!!」

「どういうことだよコレ・・・。」


ロジャー海賊団の面々がうめき声ともとれるような悲鳴を上げる。


「っは」


ここでやっと固まっていた自分の体が動き出した。


「エドワード!!いくぞ!!」


「っ、分かった!!」


ガープとセンゴクの近くにいた白ひげもこの状況に固まっていたらしい。

俺が怒鳴ると同時に動き出した。

俺が駆け出すと同時に振動をその手にまとわせ始める。


「ウェアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


ある程度たまったところでそれを地面にうちつけた。


<ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!>


白ひげを起点として地面に放射線状にヒビが入り、崩れだす。

それと同時にコングを支えていた地面も崩れだした。


「まかせたぞグンジョー!!」

「よしきた!!」


こうなった場合、敵は攻撃に巻き込まれないように地面から離れるしかない。

事実、後ろにいるセンゴクとガープは跳躍をしている。

そして、空中では攻撃のために安定させる場所がないから必然的に無防備になる。

そして、そこに勝機がある!!


「よし、浮かべ!!」


虎丸を限界まで構える。

俺の最強の一撃で仕留めてやる!!


「ふむ、ルーキーにはちょうどいいハンデだな。」

「え?」


しかし、

俺は甘く見ていた。世界最高峰の力を。

あろうことか、コングは上に飛ばず、崩壊して足が埋まってしまった体勢で俺を迎え撃とうとしていた。


「なっ」

「作戦通りにいくと思ったか?ルーキーにしては中々いい作戦だとは思ってやるが。この程度で私に“海軍大将”に通じるとでも思ったのか?」

「関係あるか!!そうなった以上そのまま身動きはとれないだろ!?」

「ほう、ならば抗ってみろ・・・。」


コングはそのまま拳を打つ準備をとる。





「カミカゼ“嵐”!!」



俺は“嵐”だ!!

レイリーには“災害”と称され、白ひげの地震と拮抗した、確かにこの世界に存在する“嵐”!!

例え、お前が俺たちを抑えようとしても、この“嵐”が吹き続ける限り、この世界の法則に抗い続けてやる!!


「くらえ!!」


暴風を纏いながらコングに斬りかかる!!


「なるほどな・・・。」


しかし、それを前にしてもコングはただ冷めた目で俺の嵐を見つめているだけだった。


「この世界の嵐と全く同じ威力・・・賞賛してやろう。」


だが、とひいていた拳を一気に突き出しながら言った。


「“嵐”程度私の敵ではない。」


次の瞬間、その拳から飛び出た拳撃は俺のカミカゼ“嵐”を消し飛ばした。


「え?うわ!!」


俺は斬りかかる態勢のまま吹き飛び、地面に激突する。


「っ!!クソッもう一度だ!!」


すぐに態勢を立て直しもう一度カミカゼ“嵐”を放つ準備を


「グハッ・・・」

「エドワード・ニューゲート。やはりたいしたことないか。」


「・・・・。」

「金獅子のシキ確保。」

「残りは一般船員だけだな!!」


崩れ落ちる白ひげと、地面に倒れ伏したシキ。


「・・・・え?」


残ったのは俺だけだった。


「船長!!」

「俺たちはどうなるんだ!?」

「副船長なんとかしてください!!」


喚いている船員たちが目に入る。

どうやったらこの状況を打開できるか?

どうやったら切り抜けることができるのか?

そもそも、逃げれるのか?




俺はすべての問いに答えることができなかった。




原作知識はある程度ある。

でも、伝説の海賊たちが活躍していた黄金期はまだ俺は知らない。

彼らがどのような道筋をたどったのかも。

でも、このままいけば1つだけ確実なものがある。



大監獄インペルダウン



一度入れば脱獄不可能の絶対要塞。

もし、彼らがそこに入れられたら?

間違いなく、原作ONE PIECEは終わる。

しかし、自分は逃げられるだろう。

そもそも自分はこの世界にはいなかった存在。

この世界の展開も知っているから、この先大人しくしていれば海軍側もどうこうするわけではないだろう。





でも




それでいいのか?

それで自分だけの人生を満喫したと言えるのか?






答えはノーだ!!






「おい、スパロー・・・。」

「!!グンジョーさん。」


剣を構えているスパローに声をかける


「あいつらは俺が止めるから倒れてるやつら引っ張って船まで逃げろ。」

「そんな!!そんなことできるわけ」

「うるせえ!!たった1人の犠牲と全員全滅するのとテメエはどっちがいい!!」


唇を噛みしめながら俺の話を黙って聞いている。


「・・・分かったか?俺が攻撃するからお前は言われたとおりにするんだぞ?」

「・・・・ハイ。」

「声が聞こえない!!」

「ハイ!!」


そんな泣いてんじゃねえよ、別れぐらいすっぱりいこうや。


「さてと、海軍の諸君。」


目の前にいる海軍達を睨みつける


「いや〜、噂に聞いていたけど不意打ちなんてずいぶんセコイことするじゃない?」

「・・・耳が痛い話だな。」


コングが苦笑する。

確かに彼らにとっても海の秩序を守るという名目上どのような手段をとっても海賊を駆逐しなければいけないのだろう。

そこに正義はあるが心があるのか?

原作を読んでいるときにそう考えたことは何度もあった。

おそらく、彼らも同じことを考えているだろう。

じゃなきゃこんな人がこんなことをするはずがない。


「さてとこの世に生を受けて20数年。最後の戦いと行かせてもらいやしょう。」


虎丸を改めて構えなおす。


「“辻斬り”グンジョー、仁義とおらせてもらいやす。」


そう言った後、コングに向かって走りだした。


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報告

“大将”コング

“准将”センゴク

“准将”ガープ


○月×日


“指令”

中将達の確保、及び事件を起こした5人のルーキー及びそのクルーの逮捕




中将達の確保後、海賊達と交戦。


ゴール・D・ロジャー、シルバース・レイリー、エドワード・ニューゲート、シキが逃走。


“辻斬り”グンジョーは確保


“事後処理”


当人は戦闘により意識もない状態なのでしばらく安静の後インペルダウンに搬送


予定通りセンゴク准将、ガープ准将は少将に昇格の上船を一隻与える。

、以上

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