小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第8話



テストが終わり、結果が帰って来た。


え?俺?全部九十点位。まぁあんま目立つ気もないから手を抜いてる。


「なのは、国語どうだった?」


「八十点も取れてるの!」


「私もそう!」


「・・・あの二人に八十点を取らせるなんて・・・」


「西条君、教えるの上手いね。」


うわ、あの二人気の毒な位馬鹿にされてる。


「・・・つーかあの二人何故出来ない?って思うレベルで飲み込み早かったんだけど。」


何故今まで出来なかったんだ?


まぁ少し時は飛んで放課後。


「・・・何故お前等がこっちに居る?」


バニングスと月村がいました。


「何で?」


「いや、何時も居ねぇし。」


「それはあんたが周りをちゃんと見てないだけじゃない?」


「私達何時もこっちから帰ってるよ。」


「あ〜、それもそうか。帰りは歩きながら寝てるし。」


「「歩きながら!?」」


そんなに驚く事か?


「ま、いいや。じゃ、あの車は迎え?」


「えっ?いや、今日は迎えなんて・・・」


そう言うのと同時に、大量の黒服の男達が現れ、俺達を連れ去っていく。


うえ〜、ようやく面倒なテストが終わったのにまた面倒事かよ。


そう思う間にも俺達は車の中に押し込まれる。


・・・ってか俺を誘拐する意味って有るのかな。


そんな疑問を思いながら。


「・・・zzz・・・へへっ・・もう寝れない。」


「・・・緊張感無くなるわね、と言うか何でこの状況で寝れるのよ。」


「それにどれだけ寝たいんだろうね?寝ながら寝れないって程寝た夢を見るなんて。」


誘拐された三人は、今廃工場の中に居る。


「あっ、えーと、何でこんな事するのよ!」


「・・・そうだ!お前等を連れてこいって「昼寝王に、俺はなる!・・・ムニャ」うるせぇ!」


「てめぇのせいで雰囲気壊れんだよ!」


「つーかさっさと起きろ!」


「ふぁぁぁ、うっさいなぁ。こっちは眠いんだよ。」


『あれだけ寝といて、まだ!?』


全員で騒ぐな、うるさい。


「・・・月村、状況説明を求む。」


「簡単に言えば誘拐された?」


「把握。要するに昼寝神に代わり安眠妨害するこいつ等を抹殺する、と。」


「何をどう間違えればその答えが出るか分からないけど最終的にはそれで良いよ。」


「OK」


そう言い縄抜けをして立ち上がる。


「なっ!どうやって縄を!」


「この程度関節外せば抜けれるって。っとまぁ、来いよ。昼寝神を侮辱した罪は重い。」


「ふざけんな!やれ!」


そう言うと、全員がかかって来た。


「んじゃま、やりますか。」


そう言いながら向かって来た相手の顎を殴り仰け反る勢いのまま向かってくる奴に蹴り飛ばす。それで5人を気絶させる。


そのまま取っては投げ、取っては投げを繰り返し、数秒後には、相手は一人になった。


「くそっ!何故そんな化物を守る!」


「化物?何の事?」


「知らねぇなら教えてやる。その月村のガキは「止めて!」吸血鬼。化物なんだよ!」


「それ・・・本当なの?すずか。」


「うん、本当。私が周りより運動出来るのも、それのせい。」


「・・・馬鹿!もっと早く言いなさいよ!」


「・・・えっ?拒絶しないの?私、人の血を吸う、化物なんだよ?」


「そんなの関係ないわよ!私達、親友でしょ?」


「うん、うん!」


「チッ、あっちは駄目か。おいお前はどう思うんだ?」


「・・・おっさん。あんたその吸血鬼に恨みでもあんの?」


「あるわけ無いだろ!でもな、そいつは、生きているだけで人に害を為す、化物なんだよ!」


それは俺が何度も言われ続けた言葉。


「・・・そうなんだよなぁ」


「あんた!」


「そうなんだよ、化物なんだよ。ずっとそう呼ばれ続けて、自分を攻め続けてさ。そんなこと、虚しいだけって一番知ってる筈なのに。」


そこまで言って、ようやく周りはその言葉に違和感を覚える。彼は何故、自分の事のように話しているのか、と。


「・・・少なくとも月村は支えてくれる人がいる。ただ独り、孤独な化物と・・・俺と違ってさ。」


そこでようやく気付く。彼の化物と言う言葉、それらは全て、自分に向かっていたと言う事に。


「周りが人って認めてるなら、月村は人だ。俺と違ってな。俺さ、何も知らずにその言葉を使うあんたにむかついてんだ。だからおっさん。来いよ。」


ーーー本物の化物の力、見せてやるよ。


俺はリミッターを外す。


周りの空気が、まるで音を吸いとった様に静まり返る。


そんな中で俺は言う。まるで悪魔の様な笑みを浮かべて、


「ほら、どうした?・・・その懐の銃で撃ってきてみろよ。」


「う・・・うわぁぁぁ!」

絶叫を上げながら懐から銃を出し、撃ってくる。


それを俺は、微かに手を振るだけで全て地面に落とす。


「ば・・・化物。」


そう言いながらもう一つの銃を取り出す。


「それじゃあ俺に傷一つ付けらんねぇって。」


そう言い指を鳴らす。それだけで銃は消えてしまう。そのままそいつに近づき、


「そう、俺は化物だよ。破壊を撒き散らすだけの災厄の象徴。」


「・・・う・・・・ぁ。」

「けど、彼女はちがう。周りに彼女を人間と言ってくれる人がたくさんいる。人は周りと繋がる生き物だから。だから彼女は、人間だ。」


そう言いそいつの頭に手を置く。


「や、止めろ!俺は死にたくない!」


「殺すかよ。てめぇには地獄を見せる。」


そう言い小さく呪文を呟く。すると誘拐犯は悲鳴を上げた。


誘拐犯は悲鳴を上げた後気絶した。


それを確認し、再びリミッターをかける。


「アンタ、彼奴に何をしたの?」


「あぁ、あんまりにも差別が激しかったから記憶をいじって差別される側にしただけ。」


バニングスは顔をしかめてそちらに目を向け、


「ま、自業自得ね。」


と言い放った。


「さ・・・西条君!」


月村が突然叫ぶ。


「ん?どうした?」


「西条君は・・・辛くないの?」


「辛くないってのは嘘だけど、もう慣れた。」


そう言ってへらへらと笑う。自分が殆ど笑えていないのにも気付かずに。


「あっ・・・」


「丁度恭也さんも来たみたいだし、俺は帰って寝る。」


そう言って俺は現と虚の狭間を移動し、帰って行った。

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