小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第9話



翌日。


「話って何だ?月村。」


「いや、昨日のお礼を・・・」


「お礼?あぁ別に良いよ。自分が逃げるついでみたいなもんだったし。」


月村は意地の悪そうな笑みを浮かべる。そして、


「何か昨日普通の人が聞けば中二臭く聞こえる事を言ってたような?」


「ぐはぁ!」


しまった!何故俺は昨日あんなハズい台詞を吐いたんだ!


「これも逃げるついでかぁ〜。余程頭の痛い人なんだろうな〜。」


「黒っ!おしとやかそうに見えて滅茶苦茶黒っ!」


「お礼、しても良いよね?」


そう言った彼女の目は語る。ーー肯定以外は受け付けないと。


「・・・はいはい!分かったよ!でもそれ、誰にも言うなよ?」


「ふふっ、分かってる。それじゃあ、何か出来る事があればやるけど、何かある?」


「あ、そうだ。じゃあ高町を止めてくんない?」


「・・・ごめんね。それは無理。」


「うん、まぁ出来るとは思って無かったけどさ。」


友達が止められないレベルってどうよ?


「んじゃ、考えとくからさ、困った時は頼むよ。」


「そうだね。じゃあ最後に、ありがとう。西条君。」


「ま、どういたしましてっと。」


そういって俺達は教室へ戻った。







放課後。


ただ今、誘拐されました。つーか


「はぁ、恭也さん。ついに犯罪に手を染めましたか。黒装束まで着て。」


「・・・分かっていたのか。あとこれは犯罪じゃない。」


「そんな格好で説得力が有ると思ってるんですか?」


「俺だってこんな格好はしたくない!と言うか何故分かった?」


「気配、動きかたとかですね。」


「・・・はぁ。」


「んで?結局何がしたいんですか?答えないとあなたの妹さんに兄が犯罪をしたって言いますよ?」


「そ、それだけは止めてくれ!俺の知り合いに頼まれてな。話がしたい、と。」


「黒装束の意味は?」


「・・・これを着てやってくれと頼まれた。」


「ふーん、恭也さんの趣味じゃなかったんだ。」


「趣味でこんなの着るか!」


「て言うかそれ闇に紛れる為の服なのに昼間に着てたから凄い目立ってませんでした?」


「・・・正直注目を浴びて恥ずかしかった。」


「やっぱり?」


あっ、到着したっぽい。


うわっ、でかい屋敷。


「ここだ。」


「はいよ〜。」


そう言いながら中に入っていく。


知り合いに誘拐紛いの事をさせる人ってどんな人だろ?


そんな好奇心を持って。



「初めまして。月村家当主、月村忍です。」


「聞いてると思うけど、西条 悠。宜しく。」


へ〜。此処月村の家ね。やたらと猫が多い。


「んで?誘拐紛いの事させてまでしたい話って何?」


「えぇ、そうね。西条君は私達が人間じゃないって言うのは聞いたよね。」


「そう言ってましたね。」


「私達は「夜の一族」と呼ばれる種族。吸血鬼なの。」


「へぇ〜。」


「で、正体を知られたら、記憶を消すか、誰にも話さないと言う契約を結ぶ事になっているの。」


「んで、俺にどちらかを選べ、と。んじゃ、後者で。」


「・・・理由は?」


「簡単。貴方達に、俺の記憶を消すなんて出来ないから。」


「・・・どう言う事かしら。」


「例を挙げるなら」


恐慌の魔法を発動させる。


(平伏せ、ニンゲン。)


そう言うと、その場の全員が倒れ伏す。すぐにそれを解き、言う。


「俺はこの位の精神操作、圧迫は一切効きません。貴方達にこれ以上のものが使えますか?」


「無理ね。」


「じゃ、答えは出たっと。これで終わりですか?」


「ええ。」


「それじゃ、帰りますんで。」


そう言って俺はそこから出ていった。


はぁ〜、眠っ。

-11-
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