小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第10話



月村家に行ってから数日後。


「それで?依頼内容は?」


「此処に潜伏している犯罪組織の壊滅を頼みたい。」


俺は、ミッドチルダで仕事をしている。


俺がやっているのは「何でも屋」。内容は名前の通り。


「何で管理局じゃなく僕に頼むんだい?」


ちなみに仕事中はセットアップしてフードを顔が隠れるまで被り「寂しがりの悪魔」の口調。理由は顔と声を隠す為。


「彼方には管理局に潜入している奴が居てな、管理局だと情報が漏れるかもしれない。」


ふ〜ん、そうなんだ。


「何で僕に?壊滅出来るかも分かんないのに。」


「友人から聞いてな。ひどく腕の立つ奴がいると。」


嘘くさっ。


「ま、いいや。その依頼、何でも屋『エリス』が承りました。」


ま、裏は有りそうだけど一度受けた依頼はやり通さなきゃね。


「それじゃ、行くよ。アートン。」


{はいは〜い。}


そう言って目的地に向かう。


「で、僕は怪しいと思うんだけどどう思う?」


{とりあえずその僕口調止めて。まぁ私もそう思ったけど?}


「悪ぃ。ま、考えんのは後でいいだろ。」


{そうだね〜。考えても分かんないしね〜。}


そんなことを言いながら。







「こんにちは。この組織を壊滅しに来た「悪魔」だよ。」


「てめぇ、俺等の事嘗めてんのか!」


・・・思った通りの台詞が帰ってきた。どこまで単純?


「全員で一気に殺せ。此処を知られたら生かしておけない。」


へぇ〜、あいつが此処のリーダーか。ってか台詞が三下。


そう思っている内に魔力弾が形成される。俺はそれを見てデバイスの倍の速度で魔方陣を形成する。


「求めるは侵入>>>・蝕走」


そう唱えると黒い煙が発生し、魔力弾をかき消す。


「な、何だあの魔法。見たことがない!」


等と動揺している間に一瞬で距離を詰め、デバイスを使い次々と犯罪者達を気絶させる。


一人となったリーダーは笑みを浮かべている。


「どうして笑っていられるの?」


「こちらにこれが有るからさ。」


そう言い指を鳴らすと、微かに体が重くなる。


「これは?」


「AMFという奴さ。知っているか?」


「少しはね。」


「分かっているなら話は早い。これでお前は終わりだ。「悪魔」。」


それに俺は笑う。魔方陣を描く。そして、


「求めるは雷鳴>>>・稲光」


と唱える。


その瞬間魔方陣の中央に膨大な量の雷が生み出され、相手へと放たれた。



「何っ!」


リーダーはそう言いながらギリギリでそれを避ける。


「何故魔法が使えるんだ!」


いや、そもそも未知の技術に自らの常識が通用すると?


「それは精霊そのものには干渉していないからだよ。まぁ、君に言っても理解出来ないだろうけど。はい、説明終わり。」


そう言いながら今度は紋様を切る。


「光の王が無数の時を編みーーライト・キャンサー」


と唱えると、光の網が発生し、リーダーを捕らえた。


「な、何がっ!」


驚いている間に後ろに回り込み、首に手刀を入れ、気絶させる。


「よし、管理局に連絡して終わ「時空管理局だ。大人しく投降して貰おう。」・・・連絡するまでも無かったね。」


そう言い振り向くとそこには長い銀髪のどこかで見た事のある少女。


リィンフォースがいた。

「管理局ね。じゃあそこの人達は任せるよ。」


「待て。お前にも話を聞かせて貰う。」


「君じゃあ僕を追えないけどね。四年前に見ただろう?元夜天の融合騎さん。」


「・・・その声、まさか、」


「はい、正解。僕から話を聞くのは諦めた方が良いよ。この「悪魔」からはね。」


そう言い現と虚の狭間を移動する。


「くっ・・・まっ、待ってくれ!」


呼び止める彼女の声を完全に無視しながら。



ーリィンフォースsideー


「・・・どうしたんリィン。そんな元気無さそうな顔して。」


私を心配する声が聞こえる。私の主、八神はやてだ。


「主・・・実は今日ある組織の逮捕を言い渡されたのですが、」


「そいつ等に何かされたんか?」


主はやては心配した様な、焦った様な表情になる。私はそれに慌てて言う。


「違います!私が着いた時、組織は全員気絶していました。たった一人の魔導師によって。」


「へ〜、なら何でそんな顔しとるん?」


「・・・その魔導師は、私を知っていて、「悪魔」と名乗っていました。」


「それって、」


「はい。恐らく私を救ってくれた「寂しがりの悪魔」だと思います。」


彼は「悪魔」と名乗り、四年前に会ったと言った。それで該当するのは一人。


「そっか〜。それで?話はしたんか?」


「いえ。話そうと思ったら前のように何処かへ消えてしまって・・・」


「そっか、じゃあ私も探すから見つけたら教えてな。お礼も言わなあかんし。」


「はい、必ず。」


そう私は主はやてに言って笑った。


ーリィンフォースside終了ー


彼女達はまだ気付かない。探している人物が意外と近くにいる事に。



『・・・それで?奴は始末したのか?』


「恐らくは。幾ら優秀な魔導師でもあれで生きているとは「勝手に殺さないでくれないかな」何!」


何か依頼主が企んでると思ったら、俺を殺そうとしてたのかよ。


ま、あれじゃあ化物始末には足りないけど。


「何故生きている。」


その問いに、俺はへらっと笑って言う。


「酷いなぁ。僕は依頼を完遂させただけなのに。」


「まさか、あれが有っても尚全滅させたというのか・・・!」


「それが間違い。悪魔を君等の尺度で計るのがね。」


あんな物有ろうが無かろうが関係ない。


「ちっ、噂通りの化物が!!」


「・・・まぁこれ以上命狙われるのは面倒だから、出来なくしよう。」


そう言い指を鳴らす。なにも変化は無い様に見える。


「何をした!・・・・?」


「大丈夫。僕の事を思いだそうとすれば、忘れてしまう呪いを掛けただけ。」


命の心配は必要無いよ。


「それじゃ、これで仕事は終了。代金は貰ってくよ〜。」


そう言いながら金庫を開けて金を取りそこを出ていった。


{悠、それって泥棒じゃ}


「違うって。金持ちから金を奪うのは何時の時代も義賊だ。」


{絶対違うけど・・・まいっか!}


そんな事を話しながら。

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