第11話
組織を壊滅させた翌日。
「あ〜もう無理。俺ってば限界。」
俺はそう言い机に伏す。
「・・・そう言えばアンタ何時も以上に疲れてたわね。何かあったの?」
ん〜?バニングスか。
「朝から三十人近くの不良に襲われたって感じだけど?」
幾ら何でも朝は辛いし。つーか不良の癖に早起きしてんじゃねえよ。
「因みに何で襲われたのかしら?」
「ちょっと前に成り行きで殴られそうな人を助けてそん時に不良達ぼこぼこにしちゃってさ。それの報復たと。ったく、社会不適合なのにプライドだけは一流かよ。」
まぁ、殴られそうだったのは高町なのか不良なのかは知らんけど。
「・・・・・」
「・・・ん?どうした?」
「いや、あんた進んで人助け何かするんだなぁ、って。」
「いやね、助ける気は無かったけど体が動いてさぁ。」
「・・・災難だったわね(不良が)。」
今激しく突っ込みたくなったが・・・ま、いっか。
「そういや高町は?」
「用事とかで休みよ。何?心配だった?」
高町今日休みなんだ。そりゃ本当に
「いぃぃよっっしゃあぁぁぁ!!!!」
バニングスがビクッとするが関係ない。
「今日は此処で寝れる!寝れるぞぉぉぉーーー!!」
「・・・はぁ、あんたって本当にブレないわね。」
なぜ呆れた顔をしてるんだ?
「あの殺人(未遂)鬼から今日一日は解放されるんだぞ?今日一日はたっぷり寝れる!」
「あ、なのはから伝言。」
「んぁ?何?」
「「西条君は叩いても起こせ」だそうよ。」
「何・・・だと?悪魔め。俺の思考を読んだ、だと?」
「いや、あんたの思考があまりにも単純過ぎるだけだと思うんだけど。」
その言葉に、彼は膝から崩れ落ちた。
そして、その日も何時もと同じように、
「zzz・・・・ってうお!!危な!はいはい、起きてる、起きてるから!」
そう言いながら視線を向けた先には、高町によく似た、木でできた人形。
人形は手に広辞苑を持っており、所々からピアノ線が張り巡らしてある。・・・俺の首の辺りに。
そして一枚の貼り紙が貼ってあり、こんなことが書かれている。
『私はすーぱーなのはちゃん人形。西条君を眠らせない様にするために開発されたの。可愛がってね♪』
「可愛がれるか!」
「どう?これで眠れないでしょう?」
「つーか先生もさ、何でこの異常空間を平然と無視出来るの?止めろよ。」
「先生にはもう許可をもらってるのよ。」
「先生!?何で許可出したの?」
「あんたが何時も寝てるからだって。自業自得よ。」
「いや、完全に理不尽だろ!」
そう言い動こうとすると、
≪意識のお散歩た〜いむ!≫
その言葉と同時に広辞苑が降りおろさって!
「してたまるか!」
そう言って元に戻る。頭に当たるか当たらないかのギリギリで広辞苑は止まる。
はぁ、もうやだ。
そんなこんなで何時も寝てる通り、いや何時も以上の以上ともとれる監視のなかで彼は一睡もすることが出来なかった。
もう何なんだろ。とてつもなく原作キャラ達が怖くなってきたんだけど。