小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第13話



(悪魔?悪魔だと?また勇者と共に世界を破壊するつもりか?)


いや、そんな気は全然無いし。つか


「俺、勇者に興味無いし。此処じゃあ世界壊してんのあんただしね。」


(悪魔が勇者への愛を失った?いつもとシナリオが違う。)


「此処はお前等のシナリオに乗ってない所だから。」


(はっ、バカな、そんな筈は無い。)


「いや、本当なんだけど。ま、いいや。消させて貰うよ。女神。」


そう言い、小さく呟く。


「碧帝の舌」


すると、一見何も見えないが、女神は怯えた様に驚愕する。


(ヘキテイ・・・だと?何故悪魔が「神追い」の力を?)


「答える必要はねぇだろ?・・・消えろ、「女神」。」


(なっ、がっ、グァァァァァァァァァ!!)


女神は、そう断末魔を上げて、消え去った。


俺はシュテルの元へと行き、回復魔法を使う。


「よし、終了。どう?まだ痛い所とかある?」


「・・・いいえ。ありません。ありがとう。ユウ。」


「いや、お礼はいらないって。こっちが好きでやってるーー」


突然、俺は膝を付く。


あぁ、あれか。碧帝使ったしな。まぁ当たり前か。


「ユウ?」


心配そうに声を掛けてくるシュテルに答える事が出来ないまま、俺は気を失った。







はい、西条 悠です。ただ今、バインドで拘束されています。


「はぁ、何でこうなったんだろ?」


「ユウが質問に答えず寝るとか馬鹿な事をいうからですよ。」


いや、仕方無いじゃん。今、午前四時だよ?


と、さっき言ったら魔力弾を撃ち込まれたのでもう言わないが。


「では正直に答えて下さい。」


「・・・何から?」


「先ずは女神あれは一体なんなのですか?」


「あれは、「女神」と言う名のプログラム。」


「プログラム?」


「そう。此処じゃない世界で作られた、空も、陸も、海も、全てを喰らい尽くそうとする術式。」


「・・・プログラム、と言う事は、誰かに造られた?」


「そう、「司祭」って奴が造った。ま、彼等が何をしたかったかは知らないけど。」


「・・・そうですか。では次に、何故ユウは自分を化物と?」


「・・・俺が「女神」からも化物と呼ばれた力を持っているから。」


「・・・その化物とは?」


その問いに、俺は一旦息を吸い、


「たった一人、永遠の孤独に泣き続け、親友である「勇者」の為に全てを壊した、「寂しがりの悪魔」だよ」


そう言った。


「その「寂しがりの悪魔」とは、道化師の格好をしている?」


「・・・何で知ってるの?」


「夢に出てきました。」


「・・・「複写眼」の影響か。」


「どうしてそう思ったのですか?」


「それは、その眼は、悪魔の力の一部、ほんの少しだから。」


「これ程の力で一部、ですか。」


「あぁ。」


「・・・つまり、ユウが自らを化物と呼ぶのは、ただ力を持っているから?」


「そう。ま、呼ばれたくは無かったけど。」


「・・・どう言う事ですか?」


分かってはいないらしい。


「シュテルはさ、化物ってどうして生まれると思う?」


シュテルは答えない。しかし、気にせず続ける。


「俺はさ、化物は人によって生まれると思うんだ。」


「・・・・・」


「人が、自らが理解出来ない存在を化物と呼ぶ。勿論呼ばれた方の気持ちは考えずに。」


「・・・・・」


「んで、呼ばれた方もその内自らを化物だと思うようになる。それで化物の完成。」


「・・・・・」


「そう見れば、俺は、ただ力を持っているだけでも、忌み嫌われる化物でしかないんだよ。」


シュテルを、あまり俺に近づけてはならない。


「シュテルもさ、こんな全てを破壊する化物と居なくても良いんだぞ?」


親しくなれば、その人を、この手で殺してしまうから。


「俺と、化物と一緒になんて居たら、死ぬかもしれないぞ?」


だから・・・これで良い。


そう思い向けた言葉に対し、シュテルは、


「・・・それがどうしたのですか。」


ただ一言、そう言い放った。


「へっ?」


「だからそれがどうしたのですか?と言ったんです。」


「それってどういう」


「ユウ、貴方は確かに化物なのかもしれません。」


その、言われ慣れた筈の「化物」と言う言葉に、何も言えなくなる。


「ですが、私にとって、ユウは「化物」以上に私の「友人」なんです。」


「・・・・・」


「私は、私の友人が何であったとしても、それを理由に離れるつもりは有りません。」


「・・・・・」


「だから、だからユウも、自分から、周りから逃げないで下さい。」


俺は、なんて馬鹿だったんだろう。


「そうでなければ、貴方の友人で居て、楽しいと思う私が馬鹿みたいじゃないですか。」


俺の近くに、こんな事を言ってくれる友達が居る事に気付かないなんて。


「・・・シュテル、そんな事言って恥ずかしくない?」


何かが、切れた。


「ふふ。恥ずかしく無い訳が無いじゃないですか。少しO・HA・NA・SHIしましょうか?」


やば!地雷踏んだ!


「一応聞いとくと、しないって選択は?」


「寝ぼけた悪魔が、どんな叶わぬ夢を見たのですか?」


「・・・叶わぬ夢のレベルなのね。」


つーかなんでシュテルまでルシルを知ってるの?


その日、朝早くから悲鳴が響いた。

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