小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第14話



・・・気が付いたら白い空間に、って


「何で土下座してんの?爺さん。」


その言葉に爺さんは答える。


「転生先の世界にミスで「女神」を送ってしまったからじゃ。」


「あぁ・・・あれあんたのミスなのね。そろそろ退職の時期なんじゃね?」


「儂はまだ現役じゃ!」


「この仕事初めて何年?」


「8247年じゃよ。」


「そんなにやってたった八年の間にミス2連発、だとボケたと思われても仕方無くない?」


「3回じゃ!」


「・・・爺さん、マジで引退時だろ。何やった?」


「そっちの世界にまた転生者を送った。」


・・・またミスで殺したの?


「はぁ・・・ま、いいや。んで?何の用?」


「お主に頼みたい事があってな。」


「は?頼みたい事?」


「そうじゃ。お主に、「女神」の討伐を依頼したい。」


「面倒そうなんでパス。」

それに爺さんはニヤリと笑って言う。


「別に西条悠に頼もうとは思っておらん。何でも屋「エリス」に頼むと言っておるんじゃ。」


あ、成程。仕事として頼むと。考えたな〜。それじゃ断れないよな。


「・・・へぇ、そっちで頼むならそれなりの報酬は貰うよ。」


「勿論じゃ。期限は問わず、誰と協力しても良い。因みに報酬は何が良い?」


そう聞かれた時、自分の口から驚く程すんなりと、答えは出てきた。


「・・・俺のこの力、こんな化物の力を消してくれないか?」


「・・・すまん。それは出来ない。」


やっぱりな。まぁ薄々勘づいてはいたけどさ。


「一応、理由は?」


「反応が薄いな。もう少し怒ると思ったんじゃが。」

「それはどっち?俺に化物の力を与えた事?それとも力を消せないって言った事?」


「・・・どちらもじゃ。」

「んじゃまず最初の方から。爺さんはこの力を悪意があって俺に入れたんじゃない事は分かってる。なのに怒るのは筋違いだろ?」


「・・・・・」


「それにさ、あっちにはこんな化物を友人とか言ってくれる奴までいるんだよ。ここで怒ったら、そいつに顔向け出来ないしな。」


「・・・・・」


「後者の方は簡単。爺さんがくれた眼で見たら、悪魔と俺の魂が八割ほど溶け合って一つになってるのが見えた。これを取るとなるとたぶん俺も消えるだろ?」

「そうじゃったな。その眼があれば見えて当然じゃろうな。」


・・・ってか空気重っ!こう言うの苦手なんだけど。


「爺さん、話し戻そう。この重い空気に俺の精神力が折れる。」


「そうじゃな。まぁとりあえず、「女神」の討伐の依頼、承けてくれるかの?」


「はいよ、依頼を承りました。」


そう言うと爺さんはほっと肩を撫で下ろす。


「良かった。お主に断られたらあの気持ち悪い銀髪に言わなきゃいけなかったんじゃよ。」


「んじゃ、爺さん。俺が断ってたら、今と同じ条件で?」


「いや、今の五分の一位の条件を出しとった。」


まぁ、妥当か。あいつ調子に乗るだろうからな。


「それでは行ってこい。」


爺さんがそう言うと、俺の足元に穴が開く。


「爺さん。これはどうにかならないの?」


「これは儂の趣味じゃ。」


「・・・絶対次に来たらなぐってやる。」


そんなことを呟きながら穴を落ちていく。


「もうひとりの転生者はまともじゃから安心じゃ。まぁそっちで好きに生きるんじゃぞ〜。」


そんなことを、腹が立つ位軽い声で言われながら。

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