小説『魔法少女リリカルなのは 〜自由気ままな転生者〜』
作者:レムルス()

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 第18話



「僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウン。早速だが話を聞かせて貰っても良いかな?」


「その前に、頼むからこの常識知らず共に、組織としての信用の重要性を叩き込んでくれ。」


ほぼ脅迫で連れて来られたし。もうお前等への信用はゼロに等しいっての。


クロノはそれに、顔を引きつらせて、


「あ、あぁ。分かった。後で言っておく。」


「んじゃ、よろしく。で?聞きたい事は?」


「君が知っているあのハサミとそれに関係する事をを教えてくれ。」


そう、これだよ。人から信用を得るならこうじゃないと。


そんな事を思いながら説明する。勇者や悪魔、女神の事についての説明を。


「・・・まるで御伽話だな。」


「途方も無い話だね・・・。」


「けど残念な事に真実だ。女神はここに来ている。」


誰にも聞こえない声で悪魔もだけど、と呟く。


「そんな感じ。女神とは余り関わらない方が良いと思うよ。」


実際魔法が効く可能性は低いし。


「次に、これは君の事何だが、管理局に入らないか?」


「そうだよ!西条君も一緒に管理局で頑張ろうよ!」


俺は、その言葉に対して、


「管理局には入らないぞ?」


と、そう言った。



「・・・どうしてだ?理由を聞かせてくれ。」


理由?まぁ、簡単な話、


「俺は組織って奴を信用して無いから、だな。」


「どうして?皆良い人達ばっかりだよ?」


「あのなぁ、俺は「組織は」信用しないって言ったんだよ。」


「どう言う事だ?」


「確かに此処には良い人達がいるかもしれない。けど、組織ってのはそれだけじゃない。」


「・・・・・」


「大きな組織であればあるほど一枚岩じゃ無くなっていく。「正義」を掲げていれば尚更だ。」


「どう言う事?」


「「正義」は定義が曖昧だ。それこそ正義の為なら犯罪もやむおえないと思うのもいる。」


「そんな事!」

「あるんだよ。現実に。で、俺はそんな曖昧な物に縛られた「組織」ってのを信用しない。」


「・・・・・」


「だから管理局には入る気はない。まぁ、これは俺個人の意見だから、それを押し付ける訳じゃない。これを聞いたからどうしろとか言う訳じゃないよ。後は面倒だし。」


「最後の一言が無ければ納得したの・・・。」


「んじゃ、そう言う事で〜。」


俺は手を振って去っていく。が、途中で足を止めて、


「「組織」の頼みは聞かないけど、信用出来る「個人」の頼みがあるなら何でも屋「エリス」まで来ればいいよ。」


そう言って俺は、その場から去って行った。



ーなのはsideー


「そうか・・・彼が・・・」


「クロノくん?その何でも屋って言うのを知ってるの?」


「あぁ、数年前からミッドでは有名だ。便利だし、どんなに貧しい人でも気軽に頼めるし、何より腕が立つらしい。」


へぇ〜、確かに凄かったけど・・・


「どれ位強いの?」


「噂だと、Sランクオーバーの魔導師が複数いても軽くあしらわれるそうだ。」


「そんなに!」


フェイトちゃんも驚いてる。さすがにそれは凄すぎるの・・・。


「まぁ、本当だろう。違うならあんな異名は付かないからね。」


「異名?」


「・・・「呪われた化物」、それが彼のもう一つの呼ばれ方だ。」


クロノくんは辛そうに話す。


「どうして!」


「管理局でも太刀打ち出来ない危険な魔法生物を、見た事の無い力であっさりと倒したからだそうだ。」


「それだけで・・・」


「それだけだが、人が理解出来ない物として迫害するには十分な理由だ。」


「酷い・・・」


それを言われた時どんな気持ちだったのか。きっと凄く悲しかった筈だ。


だから西条くんはあんなに寂しそうな目をしていたの?


私の心の中のその疑問に、答えてくれる声は無かった。


ーなのはside終了ー

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