第4話
あれから数日後の帰り道、女の子二人が六人の不良に絡まれている所に遭遇する。
・・・どう見ても不良は高校生以上、女の子の方は中学生位何だけど。そう言う趣味なのかな?
「お嬢ちゃん達、俺達と一緒に面白い所へ行かないかい?」
「結構です。私達行くところがあるので。」
「そう釣れない事言わずにさ〜。」
「嫌です。先を急いでいるので、退いてください。」
あ〜あ、言いたくなるのも分かるがそんな感情的になって言ったら、
「何だと!こっちが下手に出てれば調子に乗りやがって!」
あ〜あ、怒らせちゃった。
あの手の奴は少し切れやすいから冷静になる必要があるのに。
そのまま不良は拳を降り上げてって!
「マジか!?」
そう言いながらすぐに不良と女の子の間へと走り不良を蹴り飛ばす。
拳を降り上げていた不良はぐぎゃ、と悲鳴をあげ吹き飛ばされて気絶し、動かなくなる。
「何だてめぇ!」
「あ〜、やば。体が勝手に動いて・・・やっぱあれか?てめぇをぶっ飛ばす〜とかそう言うとんでもなく面倒くさい展開に?」
・・・そうだ!
俺はまるで素晴らしい事を思い付いたかの様に、手のひらをぽんっ、と叩くと、素晴らしい笑顔でこう言った。
「ほら、俺ってば何もしてないって!彼奴が勝手に俺の足に当たった、って事じゃ駄目?」
「駄目に決まってんだろうが!」
不良達はそう一斉に叫ぶと言うある意味レベルの高いシンクロを見せた後俺の元に襲いかかってきた。
はぁ〜、なんかマジで面倒くさい事に巻き込まれた。
・・・面倒事なんて大っ嫌いなのになぁ。
・・・はぁ、出来れば話だけで終わらせたかったなぁ。
「はぁ〜面倒くせぇ。」
そう言いながら一人目の顎に拳を叩き込み、気絶させる。
続いて向かって来た一人の首筋に手刀を入れ、さらに二人に蹴りを入れる。
そこまで来てようやく最後の一人は自分の状況に気付く。
「な、なんだコイツ。こんな奴に勝てる訳ねぇ。」
「そう思うならさっさと行け。俺眠いから、これ以上やるんなら手加減出来ねぇぞ。」
そう言うと残った一人は脱兎の如く逃げていく。はぁ〜、と言いながら振り返ると、
「ありがとう、西条君。」
と言いながら笑う魔王と、フェイトがいた。
「あ〜良かったな不良達。俺が相手で。」
「にゃっ!それどういう事なの!」
「お前の場合何の容赦も無く相手を痛めつけるんじゃね?って事。・・・広辞苑で。」
「私、そんな事しないの!」
と否定する高町の手には、広辞苑。
「あ〜はいはい。言い訳は署でゆっくり聞いてあげるから。とりあえず武器を仕舞ってから言えって。」
「署って何処なの?と言うか違うの!これは癖で「今、墓穴自分で掘ったよな。」にゃーーー!」
高町は猫化する。
「・・・私空気だな。」
端で落ち込んでいるフェイトを気にもせずに。
・・・何と言うか、ドンマイ。
◆
俺が魔王・高町から不良共を助けた?数日後、平和な一日が
「西条 悠!話がある!付いて来い!」
訪れなかった・・・。
何であの銀髪俺の事呼んだの?最近絡んで来なかったのに。
屋上に着くと銀髪は振り向き、
「俺のなのは達に手を出すな!」
と言った。
「なぁ、同じ事言ってるぞ?前のアレで納得したんじゃないの?」
「納得はしていない。少し考えてお前がなのは達に手を出そうとしているのが分かった。」
「お前一体どこまで思考吹っ飛んでんの?常人の域越えてるわ!」
「まぁ俺は常人の域を越えたオリ主だからな。」
「お前の頭は何処まで末期・・・ってまぁいいや。んで何かやりたい事があるからこんな所連れてきたんだろ?」
「分かっているなら話は早い。」
そう言い取り出したのは、二本の木刀。
「・・・んで?何すんの?」
「俺と勝負しろ!俺が勝ったら二度となのは達と話すな!」
「あ、そーゆー事。まあ良いけど、負けたからって二度目は無しな。」
「上等だ!」
俺が木刀を構えた瞬間、銀髪はそう言いながら切りかかって来た。
はぁ〜、んじゃま、この馬鹿を適当にボコッてさっさと帰って寝ますか。
俺は銀髪の木刀を避けながら冷静に力を分析する。
「スピードと力はそれなりだな。」
「クソッ!何故当たらない!」
「それは簡単。単純過ぎて太刀筋が読みやすいから。」
「なんだと!」
挑発にも乗りやすいっと。
「んじゃ、飽きたからこっちから行くぞ。」
「はっ、来いよ雑魚が!」
そう言われると同時に俺は本気で動き、自らの木刀で銀髪の木刀の刃の部分を切り、後ろに周り首に木刀を添える。
「なっ!」
「は〜い、終了〜。」
おぉ〜、驚いてる驚いてる。まぁ魔力で肉体強化してもついていけなかったから当然か。
「ま、待て!これは何かの間違いだ!最強である俺がお前みたいな雑魚に!」
「その程度で最強?笑わせんな。お前はむしろ二流だよ。」
「まだ勝負は終わっていない!」
「はぁ?それでどうやってまだやるっての?」
「何を言って・・・なっ!お前、何をした!」
「木刀を切った。分かったら俺帰るぞ。ふぁ〜あ、眠っ。」
そう言って俺は帰る。銀髪が何か言ってるのは全く気にしない。
途中、勝った条件(絡まない事)を指定すれば明日から気楽だった事に気付き、少し鬱になったのは・・・まぁ別の話。