第6話
次の日。
「西条君。私の質問に答えて。答えを私が気に入らなかったらO・HA・NA・SHIなの。」
はい、只今高町に捕まっています。なんか魔王化しています。
「はぁぁぁ!何だその理不尽!」
「此処は高町家なんだよ?西条君。」
「此処学校だから!・・・あぁはいはい!答える!答えるからそれ下ろせ!」
「じゃあ質問。何で昨日勝手に帰ったの?」
「あ?えーと、高町兄の相手して疲れたからかな?」
「ふふっ。O・HA・NA・SHIなの。」
「何故!?」
「心配しなくていいの。痛みは(覚えて)無いの。西条君にはO・HA・NA・SHIされた記憶も残らないの。」
「はぁ!どんだけだよそれ!俺は逃げ・・・ぐぎゃ!」
俺が気付かない位置から放たれた広辞苑により、俺は連れ去られて行った。
それから時は過ぎ、学校の帰り。
「つーかあれおかしいだろ。言われた通り記憶無いし。」
何故か思いだそうとすると頭に痛みが走るけどね!体が震えるしね!
・・・てかなんで高町がルシルの台詞言ってたんだ?
この世界に伝勇伝無かった筈だけどなぁ。等と思いながら道を曲がると、そこには、
「・・・んぁ?高町?いや、ちょっと違うか。」
高町によく似た顔をした、少女が倒れていた。
「はぁ、お〜い。大丈夫か〜。」
「・・・・・うぁ・・・」
「うわ、結構不味いか。外傷は無さそうなのに。」
そう言いながら「眼」を発動させる。すると、
「あ〜、そう言う事。魔導プログラムね。」
そして少し考えた後、
「さすがに放置はアレだし、目の前で消えられるのもなぁ。はぁ、仕方ねぇか。」
そう言い「式」に手を入れ、人間へと変える。
すると、彼女の体は光に包まれ、人間になる。
「まだ起きないか。ま、当たり前か。今まで消えかかってたんだし。面倒だけど連れてくか。」
そう言い彼女を抱えて家に帰った。
「・・・んっ・・・此処は?」
「あっ、起きた?ちなみに此処は俺ん家ね。」
「貴方は?」
「俺は西条 悠ね。まぁ好きに呼んで。」
「私はシュテル・ザ・デストラクターと言います。他の二人は?」
「二人?他は居なかったけど?」
「そうですか・・・。何故私は此処に?もう消えるしか無かった筈なのですが。」
「あぁ、そりゃ、倒れてたシュテルを俺が人間にして此処に連れてきたから。」
「そうですか・・・へっ?私を人間に?どうやってですか?」
「企業秘密。」
「・・・まあ良いです。最後に一つ、」
シュテルはこちらを見て、ある一つの質問をして来た。
自分はこれからどうすれば良いのか、と。
その時の彼女は本当にどうして良いか分からない様子だった。
「・・・どういう事だ?」
「私は今まである使命の為に存在していました。」
「はぁ。」
「しかし人間になった今、それは出来そうにありません。」
「ふむ。」
「私はこれから何を使命として生きて行けば良いのでしょうか?」
それに俺は少し考え、
「んじゃ、それを使命にしたら?」
「へっ?」
「「生きていく理由」を探す。それだけでも十分立派な意味だぞ?」
「それはどういう」
「人ってさ、皆そんなの持たずに生まれるんだよ。んで、生きていく中でその意味を探す。だからシュテルもそうしたら?」
「そう・・・ですね。そうしてみます。」
「ま、出来る範囲でなら手伝ってあげるからさ。」
「ありがとうございます。それでは早速なんですが、」
「ん?何?」
「私を暫く此処に泊めてくれませんか?」
「あぁ、良いよ別に。」
さすがに家無き子を放るなんて鬼畜な事はしない。
「それでは、暫くお世話になります。」
こうして、俺の家に居候が増えた。