小説『魔法少女リリカルなのは-神の気まぐれで転生したオレ!?-』
作者:ココアパウダーご飯()

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side陣夜

最近なのはとフェイトに元気が無い

「紅月 銀臥」

あいつが虚数空間に落ちてからずっとだ

あいつはプレシアの病気を治し、アリシアを蘇らせた

多分それもあってなのはとフェイトの好感度が上がってるんだろう

あいつも俺と同じ転生者だと本人と神から聞いた、だが

【邪者】

あれは何だ?俺はそんなもの神から聞いたことがない

あいつが優遇されている、その事実が認められず気に入らなかった

side陣夜 end

sideフェイト

銀臥がいなくなってから数日が経つ

クロノの話では母さんは何かに操られてた事から罪が軽くなり保護観察で済むらしい

今では母さんとアリシアと一緒に暮らしている

けれど虚数空間に落ちていく銀臥の

「さよなら、フェイト」

あの言葉がいつまでも頭の中で鮮明に再生される

無力だった

銀臥を助けられなかった

彼は私と家族を救ってくれた

なのに私は彼を救えなかった

その事実がいつまでも心に残り私を苛んでいた

sideフェイト end

sideなのは

銀臥くんがいなくなった

学校に行ってももう会えない

すずかちゃんとアリサちゃんが

すずか「紅月くんはいつ帰ってくるんだろうね?」

アリサ「さぁ?」

そう言ったとき私は何も言えなかった

もう少し早く行ってたら救えてたかもしれない

どうしてもそう思ってしまう

だから私はもっと強くなろう

そう心に誓った

sideなのは end

sideリンディ

リンディ「ふぅ」

エイミィ「お疲れ様です、艦長」

エイミィがお茶を持ってきてくれた

リンディ「ありがとう」

お茶を飲みながら先日の事を考える

エイミィ「またあの事件の事を考えてますね?」

見抜かれてしまった

リンディ「仕方ないでしょ?こちらが被った被害は重軽傷者多数、そして」

死者 民間協力者 紅月 銀臥

リンディ「どうして彼だけなのかしらね」

エイミィ「………」

リンディ「ごめんなさい」

エイミィ「あぁ、気にしないでください。ちょっと考え事してました」

考え事?

リンディ「どんな?」

エイミィ「…リアさんって強いですよね」

確かにそうだ

出会ってそれほど時間の経ってない私たちでさえ暗い気持ちになっているのに

銀臥くんを主とするユニゾンデバイスのリアさん

彼女はもっと沢山の時間を彼と過ごしているのに全く暗い雰囲気を見せない

リンディ「なんであそこまで普通でいられるのかしら?」

リア「簡単な事です」

エイミィ「あ…」

sideリンディ end

sideリア

リア「私は主が帰ってくると信じています」

リンディ「なぜ?虚数空間に落ちて戻った人はいないのよ?」

リア「理由はありません。ですが主は帰ってくる、そう確信しています」

リンディ「そう…」

ええ、主貴方はあの程度のことで死ぬような方ではないはずです

ですので主、帰ってきてもう一度、貴方の傍に居させてください

今の望みはそれだけです

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魔法少女リリカルなのはtype (タイプ) 2012 AUTUMN 2012年 10月号 [雑誌]
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