side銀臥
目が覚めるとどこかの部屋のベッドで寝かされているようだ
銀臥「ここは…」
最近ずっと見てきた天井、つまりは八神家の俺が寝てる場所だ
銀臥「っぐ!」
痛む体を抑えて部屋を出る
はやて「あ!銀臥くん起きた?」
銀臥「おはよう、はやて。皆は?」
誰もいない八神家の現状をはやてに聞く
はやて「わからへん。私も起きたら誰もおらんかった」
はやても知らない、となるとまさか
その時
銀臥&はやて「「リインフォースとステラ?」」
何が働いたのかわからないが、リインフォース達に何か起きる。そんな感覚が俺とはやてを苛む
銀臥「行くぞ、はやて。何かあったあとじゃ遅い」
はやて「うん!」
俺は目を閉じて、リインフォースとステラの魔力を探す
銀臥「見つけた!転移するぞ、はやて、しっかり捕まってろ。空間翔転移!」
俺の手を掴んでいるはやてごと転移する
キィン!
転送を終えるとなのはとフェイトがリインフォース達に何かを行なっていた
銀臥「!…フォトンランサー、行け!」
咄嗟にフォトンランサーを二つ生成し、なのはとフェイトの足元にぶつける
なのは「きゃっ!」
フェイト「っく!」
その衝撃で構えを解いたからか魔法陣が消える
銀臥「何してんだ!!」
リインフォースに怒鳴りつける
リインフォース「…私はそう遠くない未来、ステラを吸収し、また暴走を始めます。そうならないように、夜天の書を破壊します」
銀臥「他に方法が有る筈だ!」
俺の言葉を否定するかのようにステラが首を横に振る
ステラ「他に方法が無い故の手段ですよ…」
銀臥「っく!」
フェイト「銀臥………」
何か、何か方法は………ッ!?
考えていると唐突に頭の中に情報が流れ込んでくる
これは…
神(久しいのう)
頭の中に声が響く
銀臥(今のは?)
神に先程の情報について質問する
神(今、与えた情報がリインフォース達を救う方法じゃ。契約通りちゃんと渡したろう?早う救ってやれ)
これが、か
銀臥(助かる!)
神との話を終えリインフォースに向き直る
銀臥「お前らが助かる方法、見つけたぞ」
リインフォース「え…?」
そう言って晴天の書(はやてから管理者権限はすでに返してもらっている)を出し
ステラ「何を?」
銀臥「お前らがどう言おうと知らん、俺はお前らに生きていて欲しい。だから生かす、どんな方法を使ってもな」
リインフォースの前にある夜天の書をこちらに引き寄せる
魔法陣を展開する
銀臥「晴天の書よ、夜天の書よ、今ここに交わり新たな姿を成せ!」
魔力の塊に変化した二つの書が融合を始める
銀臥「新生した姿、その名を大空の書(おおぞらのしょ)!今ここ誕生!」
融合を終えた二つの書は限りなく白に近い水色のカバーの本に変わっていた
全員「は!?」
何が起きたのかわからない皆
リインフォース「あ、主?何を…」
代表してリインフォースが質問する
銀臥「晴天の書には夜天の書が暴走しないようにする抗体プログラムが入っているらしい」
大空の書を持ちながら答える
銀臥「だから、その二つを融合させれば大丈夫だろうと思い融合させた」
全員「…」
晴天の書の3人以外の皆が更に驚いている
シャイナ「流石です主。そんな誰も思いつかなさそうなことを思いつくなんて」
ルキアス「というよりもそんな抗体プログラムが入っていたなんて…」
ファノ「…知らなかった…」
シャイナが俺を尊敬するような目で見てくる
ルキアスとファノは自分達も知らないプログラムがある事を気にしている用だ
銀臥「あの闇の書の呪いを無力化するプログラム、それが抗体プログラムの一部らしい」
と説明する
ルキアス「なるほど」
ファノ「あれが一部……なら納得」
納得したなら良し
銀臥「という訳で、終わりましたよリンディさん」
リンディ「(気づいてた?)」
まさか気づかれるなんてと言いそうな顔が空中に現れたモニターに映る
銀臥「最初から」
リンディ「(…まぁ、それは置いといて。ありがとう、幾ら被害を増やさない為とはいえ彼女達を犠牲にするのは嫌だったのよ)」
自分も闇の書には思うところがあるだろうに、強い人だ
銀臥「(じゃ、これで解散でいいですかね?)」
リンディ「(ええ、というか集まっていた訳ではないでしょう?)」
それもそうだ
銀臥「じゃ………ッ!」
すぐそこの木々に目を向ける
フェイト「どうかした銀臥?」
フェイトが急に俺の顔が険しくなった事が気になり聞いてきた
銀臥「………誰だ」
木々の方に向かって聞く
パチパチパチパチ
拍手しながら一人の男性が現れた