sideフェイト
???「いやぁ、こうも簡単に気づかれるとは」
木々の間から一人の男性が出てきた
銀臥「………」
銀臥が物凄く怖い顔であの人を睨んでる
???「そんな警戒しなくても、何もしませんよ。今日は挨拶に来ただけですから」
銀臥「挨拶………だと?」
更に顔が険しくなる銀臥に睨まれながら笑顔で居る男性
フェイト「銀臥………あの人は?」
気になって聞いてみた
???「おや?そういえば名乗っていませんでしたね」
と男性が答えてくれた
ヴィオン「初めまして、私はヴィオンと申します。紅月 銀臥、貴方が【邪者】と呼ぶ物の一人ですよ」
全員「!?」
邪者!?この人が?
一度見た邪者はドロドロ物が人の形状をかろうじてとっている程度だった
けどこの人は、どう見ても人だ
銀臥「【邪者】だと?」
ヴィオン「ふむ、自分でも言いましたがその名前やはり気に入りませんね。それは神共が付けた我々の名称であって我らの名前ではない」
笑顔だったのが一転、嫌悪感丸出しの顔になった
ヴィオン「我らは【虚の民(うつろのたみ)】、もしかすれば可能性の世界でなら存在していたかもしれない脱落者ですよ」
ヴィオンと名乗った男はまるで誰かに言い聞かせるかのように高らかに叫ぶ
銀臥「かもしれない、とはどう言う意味だ」
ヴィオン「そのままの意味ですよ、簡単に言いますと我ら【虚の民】は人になり損ねたモノのことを指します」
銀臥の質問になんの感情もなく答えるヴィオン
銀臥「………で、お前らの目的は何だ」
ヴィオン「我らが生きるのを邪魔する神の排除、それが目的です。この物語の世界は我らの拠点の第一候補というだけですよ」
物語の世界?
銀臥「させると思うか?」
いつでも戦える、というような構えをとる銀臥
ヴィオン「ええ。それと紅月 銀臥と他の者たち、我らは貴方達に今日この場をもって宣戦布告をします」
全員「!!」
ヴィオンが手を上げると空間が裂け、その穴の中で幾つもの目が光っている
ヴィオン「現時点で考えられる最大の脅威である貴方達を遠くない未来、我々の全力を以て殲滅します。覚悟をしておいてください」
ヴィオンが背を向け穴の中に入ってゆく
ヴィオン「あぁ、二つ言い忘れてました」
突然何かを思い出したかのようにこちらへ向き直るヴィオン
ヴィオン「管理局最高評議会でしたか?我らの事を調べようとチョロチョロと鬱陶しいので潰させてもらいました」
リンディ「なっ!?」
あまりにも軽く言われた言葉にリンディさんが驚く
ヴィオン「それと、我らの王から伝言です。貴様と戦える日を待っている、との事です。ではまた」
ヴィオンが中に入ると空間に空いていた穴が塞がった
全員「………」
私達の戦いはこれで終わる訳ではないようだ