sideティーダ
ティーダ「ここか………」
俺は今、最も有名になっているVES隊の隊舎前に来ている
有名になっている理由としては
隊長が闇の書の主で、過去に蒐集活動を行い現在は保護観察と管理局への従事となっている犯罪者
伝説の三提督の一人、ミゼット・クローベルの養子
取得難度が高い資格を含む数多の資格持ち
伝説の三提督が設立した部隊
などとこれ以外にも理由はあるが最も噂で流れているのは以上の四つだ
ティーダ「にしても………」
こんな部隊でやっていけるんだろうか?
悪い意味では断じてない
ただ、この隊の小隊副隊長以上が空戦または陸戦のS-以上の実力をを持っているのだ
つまり、必然的に部隊の練度もそれに見合った物になるだろう
それについていけるほどの実力を自分が持っているとは思えなかった
???「ティーダ・ランスター一等空尉ね?」
そんな事を考えて居ると、群青色の髪をした"ありえないだろ"と言いたくなるほどの美人な女性が俺の名前を呼んだ
ティーダ「は、はい。今日からこちらの部隊に配属になりますティーダ・ランスター一等空尉です!」
ちょっと焦ったがちゃんと返答できたはず
ルキアス「ルキアス三等陸佐よ。主………隊長が待ってるわ、行きましょう」
ティーダ「は!」
sideティーダ end
side銀臥
ルキアス「ティーダ・ランスター一等空尉を連れて参りました」
銀臥「入ってくれ」
ルキアス「失礼します」
ティーダ「失礼します」
入室の許可を出すとルキアスが入り、続くようにティーダが入ってくる
銀臥「よく来たな、堅っ苦しい挨拶は要らない、座ってくれ」
隊長室にある椅子を指し、座るように言う
ティーダ「はい」
銀臥「あ、あと敬語も必要ない。この部隊内では上官とか関係なく接するようにしている。お前も好きにして構わない、但し部隊の者以外が居るときは敬語を使うように」
ティーダ「わかった。そんなことするなんて変わってるな、普通敬語で呼ばせないか?」
ティーダの雰囲気が仕事中のものからプライベートに近いものに変わる
銀臥「俺が敬語で呼ばれるのに慣れていないし、呼ばれるのもあまり好きじゃない。さて」
俺が真面目な顔をするとティーダの雰囲気が仕事のものに戻った
切り替えが早いな…良いことだ
銀臥「この部隊の結成には表向き治安向上を目的とされている」
ティーダ「表向き?」
ティーダが問いかけてくる
銀臥「ああ。【虚の民】は知っているか?」
ティーダ「ああ、最近そいつらによる被害が増えてるってのをよく聞く」
銀臥「ああ、奴らの行動は最近更に活発になっている」
俺はモニターを表示して、【虚の民】が関わったとされる件を表示していく
ティーダ「こんなに………」
予想よりも多かったからか驚きで顔を歪ませるティーダ
銀臥「VES隊はその事を重く見た三提督が設立した、対虚の民の為の部隊だ」
ティーダ「だからあれだけの特権を………」
この部隊が持つ特権の理由に納得がいったようだ
銀臥「…が、設立したてという事もあって部隊員は実戦経験が浅いものばかりになっているのが現状だ。そこでお前を小隊隊長に任命する」
ティーダ「はぁ!?」
ティーダは唐突に小隊長に任命されたことに驚き立ち上がる
ティーダ「いや無理だって!こんな精鋭になりそうな部隊の小隊長任されても務まらないぞ!?」
ティーダの言った精鋭になりそう、というのは間違っていない。精鋭になるかどうかはここから先にかかっている
銀臥「大丈夫だ、お前も鍛え上げれば問題はない」
ティーダ「いやいやいやいや、鍛え上げても変わらないって」
俺の言葉をティーダは即座に否定する
銀臥「問答無用だ。ルキアス、シャイナ達と一緒にこいつを鍛え上げろ」
ルキアス「了解しました」
俺の後ろに立っているルキアスに指示すると、ティーダを捕まえ強制連行していった
ティーダ「離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ルキアスに捕まっていながらジタバタともがくがそのままひきずられてゆく
数分後にティーダの悲鳴が響いたのは言うまでもない