side銀臥
ミント「?…隊長」
突然不思議な顔をしたミントが呼びかけてくる
銀臥「どうした?」
ミント「隊長宛で差出人不明の映像と添付ファイルが届いてます」
ふむ
銀臥「ウィルスとかではないのか?」
ミント「それなら削除されてますよ」
確かにな、伊達や酔狂でできてるほど脆くはないセキュリティだ、それをくぐってきたのだから安全なのだろう
ミント「開きますか?」
銀臥「頼む」
モニターが開かれ映像が再生される
ヴィオン「どうも、銀臥・A・クローベル中将閣下」
映ったのはヴィオンの顔だった
銀臥「ヴィオン…」
ミント「ヴィオンって…【虚の民】!?」
ミントが驚くのも無理はない、差出人不明の映像は敵から送られたものなのだから
ヴィオン「ちょっとしたお話をするために送らせてもらいました」
と笑った顔のまま言う
ヴィオン「貴方達のおかげでかなり戦力が減りましてね?その代わりの戦力になるちょっと面白い玩具を作ったんですよ。想定外な程の戦果を上げてくれたのでかなり我々が楽になりますね」
と言った後
ヴィオン「どのようなものか、添付ファイルで送りましたのでしかとご覧下さい。では」
と言って映像が終わる
銀臥「敵に戦力を知らせるなど正気か?」
戦力の情報を隠せばそれは強い手札になる
それがわからないはずが無いにも関わらず公開すると言った
銀臥「よほど自信がある、ということか」
ミント「添付ファイル、開きます」
添付ファイルが開かれ情報がモニターに表示される
銀臥「………馬鹿な」
思わずそう呟いてしまった
そこに映ったのは、俺の転生前の世界に存在した自立稼働型兵器と全く見た目が同じだった
ミント「隊長はこの兵器をご存知なのですか?」
銀臥「ああ、よく知っている。少し性能が変わっているが見た目は変わっていない」
憎い相手を見るような視線でその表示された情報を見る
銀臥「自立稼働型対人用人型兵器"キラーズ"、戦闘能力や耐久力はそれほど高くはないが、量産のしやすさが異常と言ってもいい程に高い。まぁその量産性から見れば戦闘能力は十分すぎるほど高いがな」
ミント「変わっている所って?」
ミントが何が変わっているのか聞いてきた
銀臥「装甲が薄くなった代わりに攻撃力と移動力が上がり、AMFを展開できるようになっている」
ミント「薄く?どのくらいですか」
銀臥「AMFさえ無ければ最低ランクの魔導師の魔力弾一発でも余裕で落ちる程度だな」
ミント「そんなに薄いんですか………でも………」
不安そうな顔をこちらへ向け
ミント「これからの戦い、厳しくなるんですね」
そう言ってきた
銀臥「間違いなくな」
重い沈黙
銀臥「このデータ管理局局員全員に見るように通達してくれ」
ミント「了解です」