ーーーーヒョロロロー…ヒョロロロー…
現代の汚れた空ではあり得ないほどすみわたった綺麗な青い空に鷹が舞う。その空の下を進む織田の兵士たちがいた。
「……嘘だろ、君が勝家…?」
「何か文句があるのか?」
「マジかよ…俺が知ってる歴史と何故か性別が違う……柴田勝家っつたら髭だるまのおっさんじゃ……」
「な、なんだ貴様!私をじろじろと!?」
「あ?ああわりぃ、聞いていた話と違ってかなり可愛い女の子だったからついな……」
「か!?かわ、かわいい!?」//////
あっという間にゆでダコのように真っ赤になる勝家。どうしたんだ?熱か?
「……にしてもあれが織田信長、ねぇ?魔王つうよりは美少女だな……」
と異世界?に来てもっと他にも考えることがあるだろうと突っ込みたくなるような事を考えつつも織田の城に到着した。
「あんたが使ってたのって妖術じゃないのはわかるけど……あれって鉄砲!?」キラキラ
とても輝いた瞳をこちらに向けてくる信奈。
「ああこいつのことか?こいつは……まあ日本語で言ったら自動小銃だな。まあ鉄砲の子孫みたいなもんだな、進化した。」
「やっぱり!その鉄砲を私に寄越しなさい!」
「いや、訓練しないと使えないぞ?弾も火縄銃と全く違うしメンテナンスもある。まあ火縄銃よりは撃ちやすいが……」
本音は渡したくないだけである。こう言ったら悪いが原始人に拳銃を渡す様な物である。たしかにオーバーテクノロジーで時代は進化するだろうがその分争いが増えてしまいそれだけに人が死んでしまう。トリガーを軽く握るだけで簡単に人を殺してしまう物なのだ。人を殺してしまった俺が言うのはただのエゴかも知れないが下らないことで人が死ぬのは嫌だ。
「そう……まあ残念だけど仕方ないわね。であんた織田に志願したいんだって?」
「ああ織田信奈に是非使えさせてくれ。」
「デアルカ、志願するんだから何か野望とか夢だとかないの?」
「夢、か?……まああるにはあるかな…」
「なに?」
「……まあ信じないだろうから言わないでおくよ。」
「つまんないわね。で、あんた何者?今川の兵士では無さそうだけど?」
「ああ、未来?から来た……いや飛ばされた人間だな。名は東雲晴樹だ。」
「未来?あんたなに言ってんの?私は未来から来たとか神様とかそんなきてれつなものはしんじないの!」
「この銃を見ても未来から来たと信じないのか?」
「う、証拠が不充分よ!」
証拠が不充分よってどないせえっちゅうねん……
「……ああ!PADにネットワーク機能が付いてたんだ!流石にネットワークは繋がってないけどオフラインページは使えるな。」
「はぁ?ねっとをなに?おふなんて?」
PADを取り出して操作してオフライン動画サイトを開く。某教育番組の動画を探して見せる。
「な!?なにこれ!?鉄の荷車がいっぱい動いてる!?人がいっぱい!!鉄の鳥が飛んでる!?大きい!!鉄の船!?す、すごい!!て言うかこの箱はなに!?なんで絵が動いてるの!?」
「これはPAD、まあ言ってもわからねぇか。荷車は自動車、鳥は飛行機、船は自衛隊の護衛艦だな。全部500年後の未来の風景だ。俺はそこから飛ばされてきた。」
「こんなもの見せられたら信じるしかないわね……」
「家中に迎えるならなにか役職が必要ですが?」
今言ったのは確か丹羽長秀?だったかな。彼女も男ではなくこれまた女の子である。
「なんかもう…俺の知ってる歴史が崩れ去っていく気がする……」
「そうねぇ……余ってるのは……そうだ!草履とりでいいわ!」
「それがよろしいでしょう、70点♪」
「いや70点じゃないから……草履とりって…舎弟かなにかか俺は……」
こうして東雲晴樹は織田信奈に草履とりとして家中に迎えられたのであった……
カァカァカァ……
カラスがオレンジ色の空で鳴いている。あれから時間がたち夕方になった。どうやら住みかを貰えたようで前田犬千代ちゃんに案内された。やはり女の子であった……大丈夫かこの世界?
「……住みかを与えられただけでもありがたく思え……と、姫様のおおせ……」
「まあいきなり戦国に放り出されたんだから贅沢は言えないけどな。ったくどこの戦国自衛隊だっつうの……」
「お気に召さなんだかな?」
後ろから声がして振り返ると老人が立っていた。
「……浅野のじい様……」
「ほう、凛々しいのぅ。ワシの若い頃にそっくりじゃ。娘のねねと長屋を継いでほしいくらいじゃぞ?」
「ねね?孫か?」
「よし、ねね!こっちに来なさい!」
「はい!ねねでござる!晴樹殿!よろしゅう!」
「随分と可愛いいお孫さんで。ああよろしくな?」
「……っ!くせ者!」
犬千代が槍で天井を突き破ると穴から煙が吹き出した!
「なんだ!?敵襲か!?うぉっ!?」
煙が晴れると晴樹の姿は消えていた……
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