自由な居場所 序章 1
「利道の決意メモ」
一九九五年 九月 秋
今日も同級生から身体的暴力を受けた。今の自分のようにイジメられる側の体験談といった書物を読んでみると先生はアテにならないという意見が多かった。だが、僕は自分の学校にいる体育会系の担任は信用できる気がした。
僕は勇気をだして担任に相談した。相談の途中で涙が出てしまい、うまく言葉を発せられなかったけれども、担任の先生は理解してくれた。別クラスのある担任の先生はイジメられる側が悪いといった態度で人を嘲笑しているようにみえた。
その先生が担任でそんな行為をされていたりしたら『学校不信』になって『不登校』していたかもしれない。
僕はイジメっ子側からの報復が怖かった。けれども、担任の先生が圧力をかけてくれたのかイジメっ子がバカバカしさに気づいたか知らないけれど陰湿なイジメはほぼされなくなっていた。
担任に相談してから一ヶ月、思い返してみると僕がイジメの相談を出来たのは学校に行けなくても自分の人生を考えられる居場所を知っていたからかもしれない。
一九九七年 十一月 秋〜冬へ移り変わる時期
僕は将来についてまだ悩んでいる。高校もどうでも良かった。学歴なんてバカバカしいとさえ今は思っている。たまたま工業高校に入学できたので将来を危惧しているのだ。
最近になってフリースクールに更なる興味を持った。