小説『フリースクール奮闘記(短編)『完結』』
作者:下宮 夜新()

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 仕事を辞めてしまうと両親に迷惑がかかる(生活に困る)のにこれも仕方がないということだと自分二都合の良い考え方をしてしまう。そんな自分に自己嫌悪中。

二〇〇四年 八月下旬 残暑

 あいかわらず長期間の仕事が決まらない。何とかしようと努力中なのだが空回りしているみたいだ。 そんなある日、趣味で買っている「スポーツくじ」の一等が当たった。これはきっとフリースクールを設立しなさいという神のお告に違いないと思った。こうなるとどんなことにだって意欲も湧くってものだ。


第一章
 新しい生き方

 君は学校の仕組みをどこまで知っているだろうか?
高校なら受験合格者が入学するのだから留年や退学は単位や出欠率が影響しているとわかりやすい。では小中学校の義務教育と学歴社会について一般人はどう考えているのだろうと利道は思い、街角アンケート調査をしてみた(ちなみに教育関係の団体に協力してもらった)
「少しお時間よろしいですか?あなたは子どもに義務教育は必要あると思っていますか?」
 教育関係団体が教育に熱心な高校の通りでアンケート調査をさせてくれているので興味を持って話を聞いてくれる方はちらほらいる。
「え?そんなの当然じゃないの」
「では学歴社会についてはどうお考えを?」
「今はそれほどでもないけど一昔前はひどかったわね」

「ご協力ありがとうございます。では最後に不登校の問題について一言」
「最近はそういう子どもの意思を尊重した方がいいんじゃないかと思っているわ」

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