小説『フリースクール奮闘記(短編)『完結』』
作者:下宮 夜新()

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「新しい人生の一ページだ、気を引き締めていくぞ――!!」
 今どきの若者風ないでたちの利道はカジュアルシャツに白っぽい綿パンツ(ズボン)という格好をしている。それが彼の基本的な服装だ。彼は父親から許可をもらったこともあり、すぐさま行動に移る。
 父方の祖母が同居していて二階をアパートとして貸していることを知っている利道は祖母から不動産屋さんを紹介してもらう。
 
 そして彼は不動産屋を訪れ、店の主に自由な学校的居場所フリースクールの設立をしたい旨を伝え、物件で良い場所はないか尋ねてみる。
「今の学校に疑問を感じています。防犯上とかの理由があるとはいえ、あまりに閉鎖的に思いませんか?極端な言い方ですが、今の子ども達は学校に束縛されている気がします」
「たしかに昔と比べるとね。それと君が設立したいと言っている場所にどんな関係が?」
「あまりにも学校が息苦しくなっているということです。学校内でのイジメ等の問題も学校がもみ消すとかニュースとかで耳にしますよね。今の子どもたちには安心できる居場所が必要なんです」
「立派なお考えをお持ちだ。たしかお金はあるんでしたな。それならいっそのこと調布市八雲台にある物件を購買されるといい。法律的な手続き等あったら相談に乗りますよ。購買ではなく賃貸なら賃貸でまた話しますからな」
 思いのたけをすべて不動産屋の店のある主にぶつけた利道は店の主を感銘させ、協力関係を結んだ。
 それから利道は改めて仲の良い兄妹にも手助けを頼み、一緒に居場所を発展させることを約束する。

 次から次へと行動に移していく彼は自宅にフリースクール創始者を招待する約束をして来てもらうことにした。そして数日後に来てもらった利道は、フリースクール創始者に自分がこれから始めるフリースクール設立場所に案内し、そこでフリースクール運営にあたって重要な点を中心に話を聞いていく。


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