小説『ハイスクールD×D〜魔乖術師は何を見る?〜』
作者:ロキ()

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俺と桜さんは合流してから、この世界の神様と四大魔王を治療する為に、俺達の世界の神様に次元の狭間に施設を用意してもらい、送った後俺達も移動しようとした矢先に2人の男性が現れた。ちょっと悪そうなイケメンと爽やか系なイケメンだった。


「あなた方はどなたですか?」
???「人に名前を訊くなら自分からだろう?」

「これは失敬。明人・シュトレンベルグと申します」
「絶端桜です」

???「俺の名前はアザゼル。堕天使のトップだ」
???「私はミカエル。天使長をやっています。少々伺いたいことがあるのですが、よろしいですか?」

「…私に答えられることならどうぞ」
ミ「ここに5人の女性はいませんでしたか?」
「申し訳ありません。私達もここに来たばかりでして…。ああ、でも巨大な魔力ととんでもない爆発は見えました。それが晴れるとこの惨状でして」
ア「あの状態の奴らに二天龍をここまで追い詰める程の魔力は無かった。ということは…生命力まで魔力に変換したのかよ。…あんの馬鹿どもが!!」


まだ生きているとは話さなかった。なんとなくだけど、その方がいいと思ったからだ。これでも俺の勘はよく当たる。


「あの…もう良いでしょうか?怪我人の治療をしないといけませんので」
ア「あ、ああ。引き止めて悪かったな」
「いえ、お気になさらず。それでは失礼」


俺は【異】の魔乖術で次元の壁をなんなく突破して、神様の指定した座標に向かった。到着すると、其処には真紅の髪を持った少女がいた。


「すいません。貴方はどちらさまで?」
???「ん?貴様が別世界の神が言っていた男か。っと、我はこの次元の狭間で自由気儘に飛び回る龍だ」
「そうですか。それでお名前は?俺の名前は明人(ライト)・シュトレンベルグ。こちらは絶端桜さん」
「よろしくね♪」


???「よろしく。まあ、君達の名前は知ってたけどね。我が名はグレートレッド。真龍であり、夢幻を司る龍だ」


「真龍。そりゃまたもの凄い方の協力を得たものだ。感謝しますよ。グレートレッド」


俺が微笑みながらお礼を告げると、グレートレッドの顔がほのかに紅色を帯びていた。


「ま、また墜としたのかい!?油断も隙もあったものじゃないな…」
「そうだ。グレートレッド、貴女の呼び名を考えてもいいですか?」
「呼び名?グレートレッドでは駄目なのか?」
「駄目じゃない。でも、呼びにくいだろ?だから新しい呼び名を考えたいんだけど…駄目かい?」
「…い、いいけど」
「ありがとう!」


結構本気で笑顔を向けると、桜さんも顔を紅くしていた。体調がまだ本調子じゃないのかな?


「2人共大丈夫?顔が紅いみたいだけど」
「だ、大丈夫だ!だから顔を近づけないでくれ!!」
「そう…。ごめんね?」


俺ってそんなに見られたくないような視線でも送ってるのかな?なんとなくショック…。


「そ、それで?我の新しい呼び名とは?」
「うん…新しい呼び名はガイア」
「ガイアか…。ありがとう。その名前、ありがたく貰うよ」
「いえいえ、こちらこそ貰ってくれて嬉しいよ。ところで怪我人はどこ?」
「ああ、それならこっちだよ」


俺達はグレートレッドもとい、アース先導のもと巨大な樹木に向かって歩いた。どうやらあの樹には魔力と生命力の回復を促す作用があるらしい。


「立派な樹だね?」
「そりゃあ神樹ユグドラシルの原典…というか兄弟だからな。当然だ」
「ユグドラシルの原典?この樹が?」


それはまた…面白いものが生えてるな。次元の狭間ってのも中々捨てたもんでもなさそうだな。そう思った一瞬だ。


「さてと、とりあえず怪我を治すとするか」


【絶望より救いし希望の御手】


俺の考えた新しい【闇】の第四術法。どんな重傷だろうと瞬く間に治してしまうという、医者要らずの回復術だ。


「おお、傷が消えていく。素晴らしい精度だな」


でも、こいつって中々使い勝手が悪いんだよな。魔力を回復術に変換する時に、変換効率がとんでもなく悪い。10使って6しか作れないようなものだ。


傍目から見れば役にたちそうだが、ぶっちゃけこの術を使うのは相当の傷を負っていて緊急事態のときだけだ。


「ひとまずこれで大丈夫。部屋の中に案内してもらってもいいかな?」
「いいだろう。ついて来い」


俺はひとまず休息を取りたかったから家で休憩させてもらおうと思った。そして割り当てられた部屋のベッドに寝転がった。


零『なんだ。もう休むのか?』


さすがに次元移動直後の戦闘、しかもあれほどの龍2体を相手にするのは疲れました。さすがにもう休みたいんです。


龍『まあ、仕方ないかな。さすがに僕らも人外との戦闘経験なんか無いし』
な『でも、初めて生で龍を見たよ。やっぱり、荘厳というか格好いいよね!』
サ『私も感動だったんだよ。あんなのを相手に勝利するなんてやっぱりマスターは凄いんだよ』


あんなのを相手にするなんて日常茶飯事だったんだよ。長期休暇に入る度に、どこかしらに旅に出てたから。


それに、俺は家で幽閉されてたから、そんな時ぐらいしか出れなかった。家の外を見る機会なんてそれぐらいしかなかったんだ。



皆『……』


どうかしましたか?


零『いや、どうしたって…』


ああ、別に幽閉していたのは父さんの所為でも、ましてや母さんの所為でもありません。俺の体質の所為なんです。


な『体質?』


ええ。俺は所有する魔力の量が尋常ではありません。しかし本来は魔乖術という物は、身体に1種類しか入れられません。


しかし、俺は違う。俺は7家全ての魔乖術を使える上に、それぞれ第四術法まで納めている。そんな俺が八祖に睨まれない訳がない。


俺の力が自分たちに向けられることを恐れた八祖は【闇】の当主であった母さんに俺の幽閉を命じたんです。


龍『辛くは感じなかったのかい?』


そりゃあね?俺だって、八祖の当主の奴等には殺意を覚えるぐらいにむかつきましたよ?でも、母さんが最後までなんとかしようとしていた。その事実だけで俺は十分なんです。


サ『でも、もう会えないんだよ?悲しくないの?』
零『サクラ!!』
サ『っ!?』
零『…親に会えなくて寂しくない奴なんていない。それでもこいつは生きてんだ。そのことを俺らはとやかく言うべきじゃないんだ』
サ『零二…ごめんなさい。マスター』


気にしてないよ。なんとなくそう言われることは覚悟していたから。心残りがま有るとしたら、妹のことだけだしね。


な『妹さんがいるの?』


ええ。サリナ・シュトレンベルグ。今年、高校生になったばかりの妹です。あの泣き虫がこれから大丈夫ぶかどうか。それだけが心配なんです。


な『妹さん思いなんだね』


そりゃあ家族ですから。というよりはあいつのうっかり癖の所為で散々っぱら苦労を掛けさせられた所為なんですが。


???『それでも。家族を心配できる人はいい人だと思う』


へ?


零『おお、紗雪。お前も覚醒(めざ)めたか』
紗『おはよう、兄さん。龍一さん、なぎささん、サクラちゃん』
龍・な・サ『おはよう(なんだよ)』


え、えーと…?


紗『はじめまして。私は黒羽紗雪。兄さんの義妹で、貴方の【うたまる&アルキメデス】に眠る人格』


なるほど。はじめまして、明人(ライト)・シュトレンベルグです。これから色々とよろしくお願いします。


紗『こちらこそよろしく』


さて、そろそろ俺は寝るとします。


零『おう。お休み』
龍『お休み』
な『お休みなさい』
サ『お休み、なんだよ!』
紗『お休みなさい』


はい。それでは皆さん、今日はこの辺で失礼します。


俺はそう告げると、精神空間から退出した。そして改めて目を瞑った。


〜【戦略魔法兵器(マホウ)】人格side〜


零『なあ、龍一』
龍『なんだい?零二。君から話しかけてくるなんて珍しいね』
零『あいつのこと。どう思う?』
龍『あいつって…明人(ライト)君のことかい?』
零『他に誰がいんだよ』


あいつはあの年齢にしては大人すぎる。子供の方がいいという意味じゃない。だが、あの眼は…俺と戦った時の親父そっくりだった。


龍『大丈夫だと思うよ?どちらにせよ、僕らに出来ることはアドバイスぐらいのものだ。そうだろう?』
零『そりゃそうなんだが…』
龍『それに零二。君らしくないだろう?誰かに相談するなんて、さ』


確かに…俺は何をしてたんだ?とやかく言う前に、行動する。わからねえ奴には一発ぶっ飛ばして進む。それが俺だった筈だ。何も迷う必要なんか無かったってことか。


サ『何話してるの?零二』
零『ちょっと揺らいじまってたから、少し話してただけだ。…そうだ。なあ、サクラ』
サ『な〜に?』


こいつ精神空間でも昼寝しようとしてやがる。それじゃあいざって時にどうしようもないだろう。


零『お前、明人のことどう思う?』
サ『マスターのこと?うーんとね、脆い人って感じがするんだよ』
零『そうか…。紗雪はどう思う?』
紗『私は目覚めてまもないけど、優しいけど儚い人だと思う』
零『優しいけど儚い?』
紗『家族の為に命をはれる。誰かを助けるために戦える。そういう処が優しいと思う。だけど、どこか自分が生きるという意志に欠けている。だから儚い人』
零『なるほどな。なあ、龍一と鈴白は…っていないし。まあいいか』


なあ、お前は一体何を求めて走っているんだ?我らが主、明人(ライト)・シュトレンベルグよ。

-4-
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