小説『黒子のバスケ〜創造者〜』
作者:蒼炎(小説家になろう)

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*俺らの決意2*


<リコ&楓side>

「けど、その根本の理念が問題だった。"勝つことが全て"。このせいで能力で一軍から四軍と振り分けられた。俺は力があったから上にいれたけど、好きなのにマトモに出来ないそこは苦痛でしかなかった。それで俺は、一度部活から離脱しました。」 「えっ!?」


「でも、その時テッちゃん達が俺を立ち直してくれた。戻った俺は部活の存在意義を変えようと思って二軍のキャプテンになったんです。最初は良かった。二軍の奴らは楽しそうにやり始めて強くなっていった。そいつらとトレードでやって来た一軍メンバーもコッチにきて変わった。そうやっているうちに二軍は一軍とほぼ同格に成長できた。」
そこまで言った後、楓はふいに顔を曇らせた。


「けどある日、青っち、あ、青峰っつーんですけど。そいつを皮切りに五人が突然才能が開花した。俺はその前から開花していたから、もっと楽しいバスケができると喜びました。でも…」 「でも?」


「皆は才能を開花させ変わってしまった。俺は圧倒的個人技のバスケをはじめたあいつらを止めようとしたんですけど、だめだった。今まで楽しそうにやっていた奴らもあいつらのバスケを見てつまらなそーにバスケをやるようになって、それが悔しくて、悲しくて…!!」
そこまで言い、楓は拳を握りしめた。

「…あの時、俺が一軍に入れば開花の直後にフォローして楽しくできたはずなんです。でも、今はどうしようもない。だから俺はチームオフェンスの誠凛を選んだんです。」


「…あなたの話は分かったわ。黒子君は?」
リコは息を一度はき、尋ねる。


「テッちゃんも同じく理念に疑問を感じたみたいで、全中優勝の後姿を消しました。その後はどうなったかは…。今はココに来たのを入学の時初めて知ったぐらいですし。」


「あなた達がウチに来た理由が聞けて良かったわ。……あと一つ、良い?」
リコにそう尋ねられ、楓は快諾する。


「黒子君の力はミスディレクションと分かったけど、白瀬君のは分からなかった。教えてもらえる?」


「ああ、そんなことですか。俺、眼が良くてコート全てと選手一人一人の動きが細かく見えるんですよ。」 「なっ!?」
楓のトンデモ発言を聞き、リコは驚く。

「これを周りからは"神の瞳"と言われていました。」
「まあ、確かにそんな力があればそうよば…「で、もう一つですが」…まだあんのかい!?」
リコはもう一つ才能があると聞き、驚く。


「自分のイメージしたプレイを完全に再現できます。これは"自由なる冒険"と言われていました。この二つの力で高速に動いてもシュートが打てるってわけです。」
そう楓はしめくくる。


「そんなのって…。何でもありじゃない…(これが才能の差…。)」
リコは疲れたように頭をおさえる。


「まあ、そうですね。イメージさえ出来れば、『キセキの世代』のプレイも再現出来ますからね。」 「なっ&#8265;」
続けざまにそんなことを言われ、リコは言葉を失う。

「でも、あいつらのプレイは規格外で体がその負荷に耐えられないんですけどね。」
おどけたように言い、楓は苦笑する。それでもリコは楓の才能に戦慄する。


「いつか、あいつらとやっ…「あれ、楓くんとカントク?何してんですか?」…っと。話はこれまでみたいですね。じゃ、失礼します。」
そういい、楓は朋美と夏希の元へ急いでいく。哀しそうなカオを隠すように。


ーーーーーリコもまた、あの人たちと同じ目をしていたから。

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